【GARMIN eTrex 20xJ インプレ前編】アウトドア派なら一つは持っていたい、ハンディGPSの定番モデル
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今回はハンディGPSの定番モデルとして高い人気を保つeTrexシリーズの最新モデル、『eTrex 20xJ』を取り上げる。
◆GARMINのハンディGPSのボトムエンド、ベーシックに徹した永遠の標準機
GARMINはGPS機器の専門メーカーとして1990年頃にスタートし、現在ではGPS機器のノウハウを生かしたランニングウォッチやサイクルコンピューター、ウェアラブルカメラやドライブレコーダーなどを手がけている。その製品ジャンルのほとんどで最高の性能を誇るトップブランドとして信頼を得ており、類似するラインアップを持つライバル企業がほとんどない、ナンバーワンにしてオンリーワンの企業だ。
そのGARMINの人気を不動のものにした初期のヒットモデルであり、現在も定番モデルであり続けているのが、ハンディGPSのeTrexシリーズだ。基本に徹したシンプルなモデルで、GARMINから上級モデルの『MAPGPS』や『オレゴン』が発売されたあとも、変わらぬ人気を持続している。今回取り上げるeTrex 20xJはその最新モデルであり、同時に発売された『eTrex 30xJ』の下位モデルに当たる。GARMINのハンディGPSでもっとも低価格であり、その意味では入門向けともいえるだろう。
本機のボディサイズは非常にコンパクトというほどではないが、片手で握って使うのにちょうどよい大きさになっている。サイズは縦103mm、横54mm、厚さ33mmとなっており、全体に丸みを帯びた形状。品質感を高めるシボ加工が施されたプラスティックと、同じくシボ可能が施された硬質ゴムでボディが覆われており、へビューデュティを第一として装飾を最低限とするGARMINらしいデザインだ。もちろん、防水構造(IPX7)となっているので、雨の中でも安心して使える。
GPSには高感度チップを搭載し、アメリカが運営するGPSだけでなく、ロシア版GPSといえるグロナス、日本の準天頂衛星みちびきにも対応する。そのため悪条件でもより多くの衛星を補足でき、測位精度が高い。GPSで測位した現在位置を表示するディスプレイは、サイズが35mm×22mmで、解像度は320×240ピクセル。スマートフォンを見慣れた目にはチープなスペックに見えるが、ハンディGPSのディスプレイに求められるのは大きさや精細さではなく、屋外での見やすさ。本機は半透過型のカラー液晶を搭載しており、日光の下でも非常に見やすい。
表示する地図は、本機の販売時の仕様では、プリインストールされている1/20万 日本全国地図となっている。ただし、この地図はとりあえず使えるレベルの付属品と考えるべきで、本機の機能をフルに発揮させるには、別売のオプション地図やインターネットで手に入る様々な地図をインストールして使う必要があると考えるべきだ。そうした地図を追加できるように、本機にはマイクロSDカードスロットが装備されている。バッテリーは入手しやすい単三乾電池を2本使用する。アルカリ乾電池でも使えるが、ニッケル水素やリチウム電池が推奨されている。バッテリー寿命は約25時間となっているが、これはグロナスの補足を無効にしている初期設定でのデータで、グロナスを補足すると少し短くなる。
◆右手だけですべての操作ができる、クリックスティックを中心とした操作系
上位モデルのeTrex 30xJとの違いを確認しておこう。最も大きな違いは、2つのセンサーの有無だ。eTrex 30xJが3軸電子コンパスと気圧高度計のための気圧センサーという2つのセンサーを搭載し、いつでも正確な方角や高度が分かる。方角も高度もGPSで取得できるデータなので、eTrex 20xJでも測定は可能だが、方角は移動中でないと分からないなど、制限があったり精度が劣る。とはいっても、通常の使用で気にするほどの違いではないだろう。
また、本機には通信機能がないためeTrex 30xJで可能となっているGARMINのハンディGPS同士でのデータ交換や、アクションカメラのコントロールといった機能も省略されている。こういった機能は使わない人は全く使わないが、逆に必須だという人もいるので、購入前によく確認した方がいい。それ以外のスペック、GPSの精度や本体およびディスプレイのサイズ、バッテリー寿命などはすべて同じだ。
従来のモデルとの違いも気になるところだろう。これも大きな違いはなく、内蔵メモリの容量が1.7GBから3.7GBへと倍増し、ディスプレイに解像度の高精細化と画質の向上といったグレードアップが行われた程度だ。これ以外にはほぼ変更はなく、外観にもほとんど変化はない。デジタル機器は変化が早いものだが、eTrexシリーズはすでに完成の域ということか、ウィークポイントの解消に徹したモデルチェンジとなっている。
《山田正昭@レスポンス》
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