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【THE REAL】けがの連鎖を乗り越えて…異能のゴールハンター・小林悠が追い求める巧さと強さ

オピニオン コラム
【THE REAL】けがの連鎖を乗り越えて…異能のゴールハンター・小林悠が追い求める巧さと強さ
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■ハリルホジッチを魅了する小林の「デュエル」

リーグ戦における小林のゴール数は、自己最多タイだった2014シーズンの12から5に激減した。2016年の初陣に臨む代表メンバーが発表される直前には、インフルエンザでリーグ戦の欠場を強いられている。

それでもリストに名前が書き込まれた点からも、小林に対する期待感の大きさが伝わってくる。実際、メンバー発表の席で、ハリルホジッチ監督は小林にこう言及している。

「彼のことも数ヶ月間、見続けてきた。偶然ここにいるわけではない。彼にもチャンスを与えたい」



小林悠 参考画像(c)Getty Images


国籍も文化もサッカー観も異なる歴代の日本代表監督を、小林は常に魅了してきた。最大の武器であるオフ・ザ・ボールの卓越した動きと、裏のスペースへの飛び出しを、チームメイトの中村はこう表現する。

「ボールが逆サイドにあるときから、自分がパスをほしいスペースへしっかりと走り込んでいる。(小林)悠は相手が嫌がることができるスペシャリストだと思う」

武器や特徴を記せばスマートなプレースタイルを連想させるが、一方で泥臭いハードワークもまったく厭わない。むしろ身上としているからこそ、接触プレーにおけるけがが少なくない。

例えば、鹿島アントラーズをホームに迎えた4月2日の第5節。フロンターレが同点に追いついた前半36分のシーンに、小林の真骨頂が凝縮されていた。

田坂の浮き球のパスに反応した小林が、スピードに乗った状態でアントラーズの最終ラインの裏へと抜け出す。ピンチを察知したGK曽ヶ端準が飛び出し、あわや正面衝突の状況になってもまったく怯まない。

「恐怖心といったものはなかったですね。曽ヶ端さんよりも先にボールを触ろうと必死で、何とか上へ蹴ったボールを、エウソン(DFエウシーニョ)が詰めてくれたのでよかったです」

曽ヶ端の頭上を越すシュートを放った直後に、小林は相手の守護神と激突している。さかのぼればわずか2分前には、自陣でMF小笠原満男の強烈なプレスを後方から食らってその場で悶絶している。

この瞬間にアフガニスタン戦で痛めた右足首を、再び強く打ちつけている。それでも小林はすぐに起き上がり、歯を食いしばりながら敵陣へ駆け上がり、味方のゴールを導くプレーを演じた。

闘志を前面に押し出して戦う小林の姿勢こそが、フランス語で「決闘」を意味する「デュエル」を好んで用いるハリルホジッチ監督を魅了してやまないのだろう。

すべてはチームの勝利のために。不慮のけがを恐れて躊躇するようであれば、自分の存在意義はない。いままでも、そしてこれからもポリシーを貫いていくからこそ、小林はけがの連鎖そのものを後悔していない。

代表辞退が続いたことには「何度も(心が)折れているというか…もう嫌になるくらいに」と苦笑いするが、だからといってプレースタイルを変えるつもりは毛頭ない。

「いろいろなことを経験して、そのうえでもっとやれることはないかと去年からあれこれ探してきた。けがをしないために何ができるか、ということを知識としてたくさん取り入れたことが、自分をさらに成長させると思っているので。積み重ねてきたことが、今年の結果につながればいいかなと」

(次ページ オン・ザ・ボールでこそ脅威に)
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《藤江直人》

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