東日本大震災の被災地を知るために走る…サイクリングイベントも毎年恒例に
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
岩手県陸前高田市は「南三陸サイクルロード」という自転車愛好家向けのレースを20年間続けていた場所だ。震災前にその歴史は途絶えていたが、震災の翌年に「元気を取り戻そう」とこの地を舞台にした自転車イベントが復活した。それがサイクリング大会のツール・ド・三陸だ。
ツール・ド・三陸は被災地の市内ど真ん中を通り抜け、風光明媚な海沿いを一周して戻ってくる。走るだけではなく、ところどころで立ち止まって地元の語り部の話を聞いたり、沿道で応援してくれるお年寄りと話をしたり写真を撮ったりする。こうして地元とふれ合い、復興していくさまを見届ける、記憶の風化をさせない、という思いで走ってもらおうという趣旨だ。
河北新報社とヤフーも東日本大震災の復興支援と震災の記憶を未来に残していくことを目的に、ツール・ド・東北を10年ほどの継続事業として開催していきたいという。第1回は2013年に宮城県の石巻市、女川町、南三陸町で開催された。
3回目の開催となった2015年は県北部の気仙沼市まで足を伸ばし、走りがいのあるサイクリング大会に。米国のキャロライン・ケネディ駐日大使も2年連続で参加し、アップダウンの連続する三陸海岸沿いのコースは厳しかったはずだが、ゴール後は「参加できてとてもよかった。すごく楽しい経験をさせてもらった」と笑顔を見せた。
「被災地を応援しようと思って来たのに、逆に応援していただき涙が出た」という参加者の声があり、大会の意義は大きかった。
《山口和幸》
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