【山口和幸の茶輪記】障がい者スポーツに注目!さまざまな種目が開催 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【山口和幸の茶輪記】障がい者スポーツに注目!さまざまな種目が開催

オピニオン コラム
片足切断の女子選手が自転車競技パラサイクリングの練習を続けていた
片足切断の女子選手が自転車競技パラサイクリングの練習を続けていた 全 3 枚 拡大写真
2020年に東京オリンピックとパラリンピックの開催が決定し、さらにこの夏のリオデジャネイロ大会も迫ってきたことから、障がい者によるスポーツが注目されつつある。一般の種目とほぼ同じルールで行うものから、障がいのある人のために考案されたものまである。

第1回パラリンピックは1960年にローマで開催された。それを追うようにパラリンピック冬季大会は1976年から始まった。パラは「まひ」という言葉に由来するが、身体障がい者の国際大会としてはふさわしくないことから、パラ=Parallel(類似した、同様の)+オリンピックを合わせた言葉として、その後に解釈されるようになる。

■実は激しい障がい者スポーツ

障がい者が参加するスポーツだが、激しい攻防やテクニックに度肝を抜かれる種目も多い。車いすバスケットボールは脊髄損傷や下肢などに障がいがある選手が車いすに乗ってプレーするが、一般のバスケットボールとほぼ同じルールとコートで行われる。接触こそ禁止されているが巧みな車いす操作と敵味方が入り乱れての組織プレーが展開し、転倒が続出するのは日常茶飯事だ。

ウィルチェアーラグビーはウィルチェアー(Wheelchair=車いす)に乗って戦うチームスポーツだが、この種目にいたっては車いす同士のぶつかり合いが許されている。その激しさは障がいのある選手がプレーしているとは信じられないほどで、まさに格闘技の領域だ。


車いすバスケットボールの選手らが一般向けに競技デモンストレーションを行った

視覚障がい者柔道は、基本的なルール、体重別・男女別に試合をするクラス分けなどは一般の柔道と同じ。視覚障がい選手も段位は健常者と同様に講道館で取得し、道場や道着も一般の柔道と同じだ。両者が組み合った状態から主審が「はじめ」の合図をするなど一部が異なるだけだ。

健常者をガイド役として行うパラスポーツもある。自転車競技のB(ブラインド)クラスでは視覚障がいを持つ選手と健常の選手がペアを組む。二人乗り用のタンデム自転車を使用し、ハンドルを握る前側にパイロットと呼ばれる健常の選手が、後ろにストーカーと呼ばれる視覚障がいの選手が乗る。陸上競技のマラソンにはガイドランナーが伴走。クロスカントリースキーのビジュアリーインペアードは視覚障がい選手がガイドと呼ばれる誘導役のスキーヤーと一緒に競技をする。

【山口和幸の茶輪記】障害者による自転車競技、パラサイクリングに注目してみよう

車いすアーチェリーでは、コンパウンド部門というカテゴリーがある。上下に滑車があって、弱い力でも弓を引くことができるコンパウンドボウを使用するので、力が弱い選手でもアーチェリーを楽しんだり競技に参加できたりするようになった。パラリンピックでも口で弓を引いて放ったり、足で弓を保持して競技をしたりする選手が出場する。

ゴールボールはパラスポーツ独自の種目として誕生した対戦型のチームスポーツだ。視覚障がい選手が参加し、鈴の入ったボールを投げ合って、ゴールした数で勝敗を争う。ボールの転がる音や選手同士のかけ声、相手選手の動く物音、床の振動やコートに引かれたラインの感触など視覚以外のすべての感覚を研ぎ澄ませて戦う。音を頼りにプレーするので、観客はその妨げにならないようにプレー中は声を出して応援することができず、独特の静寂の中で激しい攻防が繰り広げられる。

パラスポーツの多くは2度の世界大戦によってケガや後遺症を負った人たちのリハビリの一環として考案された。障がいのタイプによって参加できないパラスポーツはあるが、参加できる種目は障がいの程度を問わず必ずある。現在はさまざまな理由で障がいを負ってしまった人がリハビリの一環として、身体を動かすことの楽しさを感じるために、そして世界の頂点を目指して練習して戦う舞台としてかけがえのないものになっている。

《山口和幸》

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