ハッカソンとは「Hack」と「Marathon」をあわせた造語で、短期、集中的に共同作業でソフトウェアを開発する技術とアイディアを競い合うイベントのこと。読売巨人軍の試合データなどを活用し、決勝に残った5チームがさまざまなアイディアをプレゼンした。
トップバッターは面白法人カヤックの社員によって構成されたチーム。
「ジャイアンツハッカソンは、『ITを通じて野球の楽しさを、もっと多くの人に伝えたい』という主旨なので、このテーマを私たちは少し深堀りしてみました」とカヤック。
テーマを新しい視点からとらえることに注力した。ITを通じてというのは、「データでより分かりやすく」することなのか、「データでより観戦を楽しく」することなのか、「データでより友だちを誘いやすく」することなのか。
このような定義を考えていったが、最終的には少し変わった方向からとらえることにしたという。その結果たどり着いたのが、「データをアートとしてとらえる」ことだ。
ピッチャーの配球に応じて側面に装着したLEDが光るトートバック「COMMAND」。販売用の実物も持ち込んだ。25マスのLEDがストレート、カーブなどの配球に応じて色を変化させる。もちろん普通のバッグとしても使用することができる。
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原宿、渋谷、秋葉原、ニコニコ超会議などで配ることを想定している、とカヤック。光るファッションが浸透しているからだ。「ネット、テレビなどのメディアに取り上げられるであろうことを予想しています」とメディア露出も期待する。これもウェブ界隈で力を発揮するカヤックゆえの発想だ。
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「ウェブの世界では『知られていないものは存在しないものと同じ』と言われています。『巨人が何か面白い事をしている』『データを使った取り組みといえば巨人軍』みたいなイメージが一般の人の認識にあると、今後のデータサービスがドライブ、拡大しやすくなる」
巨人をよく知らない人に対して、いかに良いイメージを作ることができるか。トートバッグ単体でファンを作るというよりも、野球を楽しもうとするキッカケ、土壌となる「ドミノ倒しの一本目」を作ることが狙いだという。
面白法人カヤックはハッカソンで特別賞を受賞した。