【小さな山旅】亀ヶ淵山の分岐点にて…茨城県・亀ヶ淵山(1) | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【小さな山旅】亀ヶ淵山の分岐点にて…茨城県・亀ヶ淵山(1)

オピニオン コラム
茨城県の武生山から亀ヶ淵へ続く道にある分岐点。ここからドラマが始まった……。
茨城県の武生山から亀ヶ淵へ続く道にある分岐点。ここからドラマが始まった……。 全 9 枚 拡大写真
今思えば、分岐点はあそこだった。目の前に立ちふさがる、大きな岩の壁を目の前に、そのように思った。

武生山から亀ヶ淵へと続く道の途中で、亀ヶ淵へ0.8キロという標識があった。そこで、道は平坦な道と登りの道に分かれていた。だが、標識にある案内は、この先にあるだろう「亀ヶ淵」と今来た道を戻る「武生神社」を指すばかり。三つの道があるのに、二つの行き先しか示されていない。

どちらの道を進んでも結局は同じ道に集結するというケースだ。どちらを進んでも同じならば、面白そうな道を進もうと思い、標識には何も記されていない登りの道を選んだ。

■亀ヶ淵山(烏帽子岩)の分岐点
この選択が、間違っていた。その先をいくら歩いても、二つの道が一本にならない。これはおかしいと気づいた時には、もう相当な距離を歩いてしまっていた。戻るのも面倒だし、道があるのだからどこかしらに続いているはずだ、とそのまま歩き続けた。

不安を抱えながら道を進んでいくと、大きな岩の壁にぶつかった。見るからに、二足歩行では登れない。歩くというより、完全に「登る」道である。いや、もはや道ですらない。事前の調査で、亀ヶ淵にたどり着くのに、こんなに険しい道を通らないことはわかっていた。完全に道を間違ったのだ。

どこを歩いているのかも、もはやわからない。
このまま進むのは危険だが、せっかくここまで来たのに、おずおずと引き下がってしまうのも、何である。そう思って、勇んで登り出したはいいが、木の根や幹、岩を掴んで登る始末。これではハイキングではなくて、クライミングだ。

やっとの思いで、頂上らしき場所に出る。辺りは木々に囲まれてはいたが、正面には明山が勇ましい姿を見せてくれた。後ろを振り返れば武生山、少し左に中武生。名も知らぬ山の頂で、実にすばらしい景色を見ることができた。

頂上で少し休んだ後、今また分岐点に立ち、選択を迫られていることに気づいた。このまま先へ(明山)進むのか、それとも引き返すのか。これまで極度の不安と緊張と戦いながら登ってきたため、疲労度が高い。この先を進むのは難しいだろう。すると、選択肢は「引き返す」のひとつしかない。

(この道を引き返すのか)
ひいこら言いながら、どうにかこうにか登ってきた急な道を見下ろして、これまでの選択がことごとく間違っていたことに気づき、その過ちを悔いた。

「人生は、選択の連続だ」
「気づいた時には、もう遅い」
山登りにも、同じことが言えるようだ。

《久米成佳》

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