シャープはモノの人工知能化を「AI×IoT=AIoT」として掲げ、知性と愛着で身の回りの家電が人に寄り合う世界を目指すココロプロジェクトを推進している。ロボホンはココロプロジェクト第1弾だ。第2弾以降としてはしゃべるテレビ、しゃべる電子レンジなどを構想中という。
■世界初のモバイル型携帯ロボット電話
シャープコミュニケーションロボット事業推進センターの山本信介所長は、「次世代の家電商品を制作したい。家電の中に知性を導入し、持ち主の行動を学習し、やりたいことなどを家電が察知するような」と構想を語る。
ロボホンはスマートフォンとして販売される。伊勢志摩サミットの国際メディアセンター内にもロボホンは展示されており、月産5000台を計画。
開発パートナーのロボットクリエイター・高橋智隆氏は、「スマートフォンは広く普及し、ある意味完成の域に入りこれから減速していく。反面、ロボット分野はこれから伸びると言われつつ、どう生活に入り込んでいくのか分かりにくい部分もある。このふたつの分野を合体させればいいんじゃないかと思った」と開発に着手した背景を語る。
ロボホンができることは大きく分けて3つある。
ひとつ目は「話がわかる」こと。「おはよう」と声をかければ天気や登録した自身の予定を教えてくれるし、人の顔を見分けることもできる。「写真を撮って」と声をかけると、知っている顔を認識して名前を呼びかけながら撮ってくれる。長く使っているとユーザーの起床時間や就寝時間、好きなもの、嫌いなものなども学習する。
ロボホン、電話機能 pic.twitter.com/5cxjFMseRq
— CYCLE-やわらかスポーツ (@cyclestyle_net) 2016年5月26日
エンターテイメント機能としては、立ったり、座ったり、歩いたりできる。ダンスだって可能だ。この動作には取材陣からも「可愛い!」という声が上がっていた。
ロボホン、立ち上がり動作 pic.twitter.com/Cl5d636Idh
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ロボホン、ダンス pic.twitter.com/HuYWVsqj4M
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ふたつ目は「一緒に出かけられる」こと。身長約19.5cm、体重約390gのロボホンはポケットに入るサイズで、ユーザーのいる場所に合わせて必要な情報をウィキペディアなどから検索して教えてくれる。また、目的地を伝えると地図やルートをプロジェクターで映してくれる。
ロボホン、検索機能 pic.twitter.com/ybiDz35V7y
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3つ目は「スマートフォン」としての機能を搭載していること。電話がかかってくると「電話だよ」と教えてくれる。通話中はトランスフォーム。ユーザーが持ちやすい姿勢に自身の体勢を折り曲げる。
音声でメールを送ることもできる。近くで落ち着いて話せば、かなりの精度で文章が作成される。届いたメールも内容に合わせて、動きをつけて読み上げてくれる。
ロボホン、電話機能 pic.twitter.com/5cxjFMseRq
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今後アプリの拡充により、ロボホンができることは増えていくという。あくまでひとつのアイディアだが、ひょっとしたら近い将来、翻訳機能を搭載したロボホンを通訳にして、外国人と話ができるかもしれない。
ロボホンの価格は19万8000円(税抜き)で、さらに月額990円の基本料金がかかる。契約は任意だが、モバイル通信機能、期間内の修理料金を割引する保険プランなどに加入するには追加料金が必要だ。