【小さな山旅】亀ヶ淵のカタルシス効果…茨城県・亀ヶ淵
オピニオン
コラム

全長375mある橋の長さは、歩行者専用としては本州一(元日本一)。毎年春には1,000匹もの鯉のぼりが空を泳ぐ「こいのぼりまつり」が開催されている。そして、なんといっても高さ100mからのバンジージャンプ。どれもが日本トップクラスの規模である。
この龍神大吊橋が架けられている龍神峡周辺には、多くの瀬や淵がある。その代表的なのが今回訪れた亀ヶ淵だ。
■自然の風景がもたらす、心の浄化作用
筆者は、亀ヶ淵山での小さな遭難によって、心身ともに疲れきっていた。その疲れを吹き飛ばすかのような風景が、亀ヶ淵に広がっていた。
大きな岩の間からは、小さな滝が水を落としている。岩はコケや木草で覆われ、水は透き通るほどの清らかさで、岩やコケや木草をその水面に写す。太陽の光は、新緑をより色鮮やかに変化させ、木陰との明暗の差をはっきりとさせている。観光客は筆者以外に一人だけ。静かな空間が、その景色をいっそう神秘的に見せてくれる。
龍神川の流域には「龍が棲んでいた」という伝説もあるらしい。この雰囲気の良さならば、そのような伝説が生まれるのも納得がいった。
遭難事件で心を蝕んでいた焦りや不安や鬱積が、きれいさっぱりに洗い流されていった。カタルシスだ。備え付けのベンチに座り、持ってきた麦茶を飲みながらぼんやりと亀ヶ淵を眺めていると、いろんなことがどうでも良くなっていった。
例えば。
帰り道が億劫なこととか。連休が終わって仕事ばかりの日常に戻ることとか。頼まれていた仕事をほったらかしにしている件とか。今月のカードの支払いとか(先月衝動的に本を買いすぎた)、そんなことばかりしているから貯蓄が一向に増えないこととか。そして、この亀ヶ淵の原稿をどうやってまとめる(オチをつける)かとか。
とにもかくにも、亀ヶ淵の美しさは、語る(カタル)言葉を失す(シス)るほどであった。(歌丸師匠に敬意を表して)
《久米成佳》
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