スポーツライブ配信はネット動画のキラーコンテンツなのか
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
多くの人がユーザーになっているFacebook、Twitter、さらには先日、月間アクティブユーザーが5億人を超えたとアナウンスしたインスタグラム、Vineなどのあらたなコンテンツプラットフォーマーが、軒並み動画対応を進めている。
◆動画とは
インターネット上における動画の存在感は、ネットワークの充実によって一層大きくなっていくことは数年前から既定路線だった。コンテンツといっても編集された読者/視聴者のためだけのものだけでなく、多くの人の目にはインターネット上の広告という形で動画が映り込んでいる。
テキストより写真、写真より動画、とコンテンツの形は通信環境のリッチ化によって加速度的に進化している。そしてコンテンツとは、編集記事から広告まで、広く目に止まるものを指す。Googleを経由するアドネットワークやFacebookにはすでに無数の動画広告が並んでいる。Twitterは6月、動画の再生時間上限を30秒から140秒に対応することを発表。6秒動画のVineも同様に、再生時間の拡大を発表した。通信環境の進化に伴い、動画コンテンツの世界は広がりを見せている。
◆ネットでの動画品質…Netflix「火花」など、ネット動画が品質で競争力発揮
写真やテキスト形式のコンテンツに対して優位な形式である動画。動画コンテンツが増える中では、一層の競争力をもつコンテンツの「型」が求められる。
それはもしかしたら、テレビのクオリティに肉薄し、追い抜くレベルの品質まで磨き上げられた動画コンテンツかもしれない。
又吉直樹の「火花」をオリジナルドラマ化するNetflix (ネットフリックス) のように、広告費、制作費を十分に投下するスタイルも実際に登場しており、コンテンツの質の最高峰は、もはやネットに軸足を置く。有象無象のコンテンツが存在するネット環境から、あらゆるデバイスやハードウエアをまたぐ、最高峰のコンテンツが登場している。
◆ネット×ライブ×スポーツの可能性
動画の「型」は、はたまた、磨き上げられた速報性が競争力になるかも知れない。つまり「LIVE」動画だ。これも既存のテレビなどでは多く見られる手法であり、ライブ/生放送であることはその動画の競争力に寄与する。ただし、多大な労力やコストがかかり、またテレビという限られたインフラを利用している手前、さまざまな制限がある。もちろん、テレビという参入障壁が極めて高いビジネスモデルにあって、生放送におけるリスクなどは取るに足らないだろうが。
スポーツコンテンツは、このライブ動画とネットという環境で特にビジネスチャンスが創出可能な掛け合わせであるように見え、すでにソフトバンクグループが、「スポナビライブ」をスタートしたのは記憶に新しい。
◆ソフトバンクのスポナビライブとは
スポナビライブは、ソフトバンクユーザーが月500円、その他ユーザーは3000円という価格で利用できる。プロ野球、海外サッカー、なでしこ、大相撲、テニス、バスケットボールなど、次々と視聴可能なコンテンツが拡充されている。
言わずもがな、ソフトバンクホークスや、男子バスケットボールの新リーグ「Bリーグ」のスポンサーもソフトバンクが担う。
これまで、他の企業と同様、スポーツ(チームや選手)に対してマーケティングの意味合いが強い投資であったスポンサーが、ソフトバンクというインフラ企業にとっては、放送の権利を手中することにつながり、ネット環境でスポーツ動画を展開、しかもライブで配信することで、ユーザーに対して新たな価値サービスを提供することに結びついている。
◆ePlayerの存在、オープンかクローズか
世界を見渡すとすでにスポーツ動画を手中にし、メディアとの関係構築に厚みをもつ「ePlayer」なども存在している。
スポーツは権利ビジネスの要素が強く、コンテンツをオープンにするか、クローズにするか、など権利者の戦略展開の結果、コンテンツの価値を引き上げ、権利を再販していくビジネスで、この点、ネットの世界では安易にコピーなども行えてしまうため、セキュリティ面の整備はビジネスの構築とは切っても切り離せない。
ただ、広くコンテンツの世界を俯瞰するに、ネット界隈への進出はさけられない状況で、どちらかというとオープンな方向に物事は展開している。そのため、権利や利用が閉鎖されているコンテンツは、その閉鎖戦略ゆえに競争力を失っているケースも散見される。プロ野球などはこれに相当しがちな構造で、日本国内の他の競技と相対的に、コンテンツ力の弱体化は少なからず進んでいる。
◆Youtube、ニコニコ、Ustream、コンテンツ保護の観点がネックに
Youtube、ニコニコ動画、Ustreamなどはライブ配信に対応しており、読者/視聴者に対してライブ動画を配信できる技術環境はすでにかなり整っていた。
しかし、動画権利の問題や、コピーのリスクなどが山積していることで、ライブに踏み切れない権利者は少なくなかったはずである。この点をクリアするサービスが登場した。
◆動画データを所持しながらライブ配信するクラウドパックの新サービス
クラウドパックは、6月23日都内で新商品を発表した。アマゾンウェブサービス(AWS)を使い、スマホ向けアプリの開発を加速するもの。サービス開始は7月。
同社の新商品「mediapack LIVE」は、ライブストリーミング配信を行うサービス。「mediapack VOD(ビデオオンデマンド)」はオンデマンド配信を実行するためのサービス。この二つを連携する。LIVEで録画した動画素材のビデオオンデマンド配信は月額9万円から。ライブ配信の価格は初期費用1万円、配信は1時間5000円、データ転送量が1GBで0.1ドル。
これまでの動画配信についての課題として、同社エバンジェリストの後藤氏は「Youtubeはじめ、すでにこうしたサービスはあったが、地域配信の制御、会員制御、セキュリティ問題、権利問題などを細かく自社で枠組みを作ることが困難だったところ、柔軟に対応していく」とする。
具体的には動画所持者(権利者)専用のポータルサイトを運営し、視聴エリアのコントロール、広告配信のコントロール(GoogleAD、自社AD)、インフラとしての利用、突発的なトラフィックへの対応などの運用サポートが可能だという。
主な利用シーンとしてはスポーツライブ中継、株主総会、ライブイベント中継などを想定している。
◆KDDI系のコンテンツアライアンスに参画する運動通信、スポーツライブ配信を視野
このサービスを活用し、運動通信などが実際に動画配信を行う予定。運動通信は、KDDI系のコンテンツアライアンス「Syn.alliance」に参画しており、ここでスポーツに特化したサービスを展開している。
動画配信プラットフォームのブライトコーブなども、クラウドパックのサービスの競合となるが、価格面での優位性を訴えた。クラウドパックは、動画を自社で保持しながらライブ配信するサービスとして、価格破壊を仕掛け、市場の活性化につなげる考え。
《編集部》
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