陸上200m日本代表・藤光謙司、リオオリンピックへの想い「競技人生がようやく実を結んだ」
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「正直、決まった直後は実感がなかった。壮行会を開いてもらって、ようやく代表になったんだなと実感できた気がする。リオに向けてまた新しい気持ちで、気合を入れていけたらいい」
壮行会では応援の言葉とともに、写真をお願いされたり、サインを書いたりと大忙しだった藤光選手。終了後に報道陣に向けた顔は、みんなの声援を受け止めたこともあり穏やかな表情だった。6月の日本選手権では決勝で左足に違和感を感じ、6位に終わった。藤光選手は派遣標準記録をすでに突破していたために、日本代表の内定を受けた。
日本選手権では、「途中で異変を感じたので止めるという選択肢もあった」と明かす。これまでもケガに悩まされオリンピックのチャンスを逃すこともあり、「またか」と思った。しかし、自分の力でオリンピックの切符をつかみたいという気持ちが最後まで藤光選手を走らせた。
日本代表の内定は精密検査を受ける直前に教わり、「安心したというか、リオに向けて準備していけるんだなとホッとした」と振り返る。ケガはしたものの検査の結果、8月には回復が見込まれるために内定となった。現在は練習も始められるようになった。
オリンピックについて藤光選手は、「アスリートとしては一番経験しておきたい大会」と語る。
「それを目指して陸上競技を始めた。競技者としては経験せずには終われない大会なのかな。特別な想いがあったし、僕を指導していただいている安井(年文)コーチも教え子でオリンピック選手を輩出したことがないので、そういう意味で僕にとってもコーチにとっても大きな意味のある大会だと思う。チャンスを与えてもらったので、ふたりで今まで歩いてきた競技人生がようやく実を結んだ形になる」
安井コーチとは普段はそれほど連絡を取らない間柄だが、「オリンピックが決まった時は珍しく先生から電話がかかってきて、本当にうれしいんだろうなって」と藤光選手は笑った。
陸上短距離の日本代表では最年長となる30歳で迎えるオリンピックになるが、ここ数年で藤光選手はパフォーマンスが向上している。それを大舞台で発揮するべく、残りの1カ月で最高の状態に仕上げていく。
「ようやく手応えを感じ、それをオリンピックの舞台で試せることが楽しみ。まずは楽しみながら、今までやってきたことがすべて出せれば、おのずと結果はついてくるんじゃないかと思う。故障もしたけど、ある意味チャンス。しっかり休めて、リオに向けて準備ができる期間を与えられたと思えばチャンスだと思う。ピンチはチャンスという気持ちでリオに向けて万全の態勢で臨んで、世間から見たら『ダメなんじゃないか?』という気持ちがあるかもしれないが、それを吹っ飛ばせるような記録を出していきたい。期待してほしい」
藤光選手が目指すのは個人でのファイナル進出と、日本人初となる19秒台を刻むことだ。
《五味渕秀行》
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