【澤田裕のさいくるくるりん】ネットワーク化で魅力を倍加する自転車道 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【澤田裕のさいくるくるりん】ネットワーク化で魅力を倍加する自転車道

オピニオン コラム
接続する3つの自転車道をくまなく巡ると、総延長は160kmとなる
接続する3つの自転車道をくまなく巡ると、総延長は160kmとなる 全 9 枚 拡大写真
多くのサイクリストでにぎわう荒川自転車道は、沿道の景観も標識の充実ぶりも、自転車道と呼ぶにふさわしい水準を誇っています。そしてこの自転車道には、その魅力を倍加する条件まで備わっています。それはいったい何でしょうか。

この週末、僕はホームコースの1つである荒川自転車道に出かけました。梅雨が明け熱中症が懸念されることもあり、自宅を発ったのは早朝(5時30分)。おかげでアプローチの一般道は交通量が少なく、気にした暑さもつらいと感じるほどではありません。6時過ぎの走行となった自転車道は、その時間とは思えないほどのサイクリストが行き交います。同じような考えの人が多いんでしょうね。

目指す小川町に着いたのは10時20分。まずは日帰り温泉「花和楽の湯」に立ち寄って汗を流します。入浴後は短かった前夜の睡眠を補うため休憩室で仮眠を取り、2時間ほどの滞在。駅から1分のビール醸造所「麦雑穀工房」で喉とお腹を満たしたら、あとは電車に乗って帰るだけです。僕はまだ日の高い16時30分に、わが家に戻りつきました。

とはいえ僕のような貧脚なら前述した100kmに満たない行程でも十分に満足しますが、「せっかくの休日、昼前に走り終えるだなんてもったいない。もっと距離を延ばしたい」という人もいるでしょう。特に自転車道のように一般道との交差が少なく、ロングライドに向いた道を快走しているならなおさらのこと。荒川自転車道は、そんな人にさらなる魅力を提供します。それは何か? 2本の自転車道が枝道のように延びているということです。

荒川の下流から上流に向かって走った場合、その荒川と入間川にはさまれた細長い土地を貫いた先の入間大橋で分岐するのが入間川自転車道。交差する県道51号の信号を渡って直進する荒川自転車道に対し、入間川自転車道は橋を渡ったところから入間川右岸に沿って延びています。終点の豊水橋まで22km余りと、往復すればプラス45kmとなります。

そして入間大橋から、さらに11kmほど進んだ先で分岐するのが比企自転車道。梅ノ木古凍貯水池から荒川自転車道に接続するまでの2km強はかつて未舗装だったため、せっかくつながっているのに知られておらず、案内標識もありませんでした。利用者も少なかったものの、小川に沿った道からは近在する農村の風俗や歴史が垣間見え、興趣の尽きない道となっています。荒川自転車道とは対照的な存在で、少しペースを落とした回復走にいかがでしょうか。終点のこども動物自然公園までは13km弱で、往復で25kmの加算です。

下流の緊急用河川敷道路となる区間を除いた本来の荒川自転車道が45km強で、この3つの自転車道をくまなく巡ると総延長は160km。ちょうどセンチュリーライド(100マイル=160kmを、おおむね8時間という制限時間内での完走が目標となるサイクリングイベント)に等しくなり、ロングライド派にも十分すぎる距離といえましょう。

ちなみに自転車道ネットワーク化の試みは、荒川自転車道の専売特許ではありません。つい最近も茨城県内の筑波自転車道(つくばりんりんロード)と霞ヶ浦自転車道などを一体とした総延長約180kmを、「つくば霞ヶ浦りんりんロード」としたことが発表されたばかり。あわせて両自転車道の接続部分などの環境整備が進められていますし、山口県の周防往還自転車道と佐波川自転車道、山口秋吉台公園自転車道の3線も、こちらは当初からつながっています。

全国で自転車道の敷設が始まった1970年代。太平洋岸自転車道構想など一部に長距離自転車道の計画はありましたが、大半はファミリーユースということで距離は33km(大規模自転車道の全国平均)ほどでした。一転、ロングライドがブームとなった昨今は、100km超の走行が当たり前となっています。とはいえ既存の自転車道の延伸は難しいところもありましょうから、ここで述べたネットワーク化に活路を見出してもらいたいものです。

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