ウェザーニューズは日本からスポーツ気象チームの5名をリオデジャネイロに派遣。現地の営業所スタッフ1名も含めた6名で活動し、各日本代表に天気を伝える。スポーツ気象チームのリーダーを務める浅田佳津雄さんに話を聞いた。
●天気予報でリオオリンピック日本代表をサポート…ウェザーニューズのチームリーダーに聞く(1)
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ウェザーニューズの浅田佳津雄さん
リオデジャネイロ五輪で行われる競技のなかで、「ヨットなどは天気、風が勝負。セーリングが一番天気の影響が大きい」と浅田さん。また、トライアスロンもスイム、バイク、ランでそれぞれ風の影響によりレース展開が変わるため、「天気の影響する要素がすごく多い」という。両競技の日本代表はウェザーニューズから天気予報を受け取る。
セーリング、トライアスロンともに“海”を舞台に戦う競技。30年前に海洋気象の専門会社としてスタートした歴史を持つウェザーニューズだけに、海の天気予報は「プライドを持っています」と自信を見せる。
海は風の影響が強いことは素人目にも想像が難くないが、スタジアム競技ではどうなのだろうか。
「風は変わりますね。ラグビーなど我々が提供できるのはグラウンドの外(の予報)なんです。グラウンドのなかに入ると風が巻いたりする」
ウェザーニューズは各チームに『ソラヨミマスター』と呼ばれる携帯型の気象観測機を渡している。スタジアム内の最終的な風の向きなどは、各自で測ってもらう。
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『ソラヨミマスター』
「(2015年ラグビーワールドカップの)南アフリカ戦は北西の風だと予報していますが、スタジアムのなかはもしかしたら(巻いて)南東になっているかもしれない。それは自分でチェックしてくださいと。私たちはなかの形状までは計算できない。周辺の地形から基づくスタジアムに対する風の影響は伝えられますが、その辺はスタジアム競技ならではというか、それぞれに影響の出方が違う。外がすごく吹いていても、極端な話ドームのなかだったら風は吹かない。だいたいは開閉式なので、開いていた場合に風の影響がどれくらいあるかは、最後は(現場でソラヨミマスターを使って)見てくださいと伝えています」
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2015年ラグビーワールドカップ南アフリカ戦での天気予報 画像提供:ウェザーニューズ
ウェザーニューズは全世界の天気をピンポイントで予報できるが、スタジアム競技となると話が変わる。それでも事前に予報があることは、チームが試合運びを練る上で重要な意味を持つ。日本だけではなく欧米各国でも行っており、特にヨットのアメリカズカップなど海系の競技には予報士の存在が絶対だそうだ。