【リオ2016】4年後の東京五輪で活躍するために、リオへ飛んだ若者たち…人力車、鍼灸師、薬学生らが現地で活躍 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【リオ2016】4年後の東京五輪で活躍するために、リオへ飛んだ若者たち…人力車、鍼灸師、薬学生らが現地で活躍

スポーツ まとめ
「リオ五輪研修プロジェクト」メンバー
「リオ五輪研修プロジェクト」メンバー 全 11 枚 拡大写真
17日間のリオデジャネイロ五輪が現地時間の21日夜、幕を下ろす。

開幕前は多くの問題が懸念されており、実際に選手村のシャワーでお湯が出ない、トイレが壊れる、盗難事件、緑色に濁った飛び込み会場の水問題などトラブルは多くあった。しかし、心配されていたほどの大事件は起きなかったのでは、というのが滞在してみての率直な感想だ。

「リオから東京へ」。この標語通り、4年後には東京五輪が控えている。この期間中に出会った多くのブラジル人、また世界から来た観戦者にも、「次は東京だね!」と声をかけられることが多々あった。

そう、次の夏季五輪は東京で開催される。我々の番だ。

その自国開催の舞台で、自身の持てる力を発揮するべく、はるばる地球の裏側まで活動をしにやって来た若者たちの姿があった。20歳前半の学生、社会人総勢16名が中心となって活動する団体、「リオ五輪研修プロジェクト」だ。




「2020年に東京五輪が決まり、若い世代の多くが東京五輪に関わりたいと決意している。ただ、同世代の選手が世界で活躍しているのにも関わらず、支える側の立場で、世界を経験している人間が少なすぎると感じた」

こう話すのは代表の橋本貴智氏。2020年の東京五輪に関わりたいのであれば、五輪というものを現地で体験しなくてはいけない。行ってはじめて、自分がどのように4年間動けばいいのかが見えてくるはずだ。この思いから若者の活動をサポートする団体を立ち上げた。

プロジェクトの説明会には当初200人が集まり、うち70名が参加を表明。さらに栄養士・トレーナー・鍼灸・マッサージ、メディア、薬学などのスキルを持つ12名に選抜された。(代表や、管理栄養士などの監修メンバー含めて、全体16名)

実際に現地に来て得た大きな収穫のひとつは、「日本ではまず知り合えないスポーツ界の人々に知りあえたこと」だという。彼等が宿泊するコンドミニアムには日本代表サポートメンバー、コーチ陣も大勢宿泊しており、そういった日本代表関係者からすると「各々の活動をするために日本からリオにやってきた若者たち」という存在はかなり異質であったため、興味を強く示してもらうことができた。

ここでのコミュニケーションが元となり、メンバーの一人は水泳連盟協会者らと知り合い、実際に鍼灸師として選手にマッサージをする経験を積むことができた。他のメンバーもそれぞれのスキルを活かし、リオ市内各地で人力車を走らせるほか、五輪会場でゴミ拾いをしたり、リオの水質を調査したり、日本食の紹介、日本食弁当の提供などを行った。




「今回初めてオリンピックに来てみて、『あぁ、ここはこうなっているんだ』など気づくことが本当に多かった。また、実際に来ないと海外から来る人が何を不便に感じるか分からない。これを知らずに、初めてオリンピックに関わり活躍しようと思っている若い子たちは、多分厳しいと感じた。今回参加したメンバーに、若い世代を引っ張るリーダーになってほしい」

橋本氏は、「若者ならではの視点」でオリンピックの視察を行うことができたと自負する。

「東京五輪のためにリオ五輪を視察しに来た方々は、どういった部分を視察しているのか興味があります。オリンピックは政治の舞台でもありますので、きっとそういう視点でしか見ることのできない部分もあるはずです。でも、僕らはそういったところは見なくていい。僕らだけの視点で視察できるところがあると思うんです」




続けて、その視点で捉えたリオ五輪の問題点をいくつか挙げた。

「オリンピックパーク内にある、クラブとパブリックビューイングの会場面積のバランスがおかしかった。クラブにはすごく沢山の人が集まっているのに、会場は狭い。逆にパブリックビューイングは広いスペースがあるのに、あまり人が集まっていなかったり。でも、おそらく日本ではパブリックビューイングの方が人は集まるでしょう」

「実際に水質調査をしてみて、泊まっていたホテルからも大腸菌が出た。試合会場の環境に不満をもつ人やはじめての試合会場に不安を抱くという人に対応すべく、リオで水質調査をして、『こういった場所ならデータと比較しても安心ですよ』と伝えてあげたい」

「半年以上前から日本の文化などを発信するジャパンハウス含め、JOC、ANA、ブラジル大使館など様々な組織に日本文化をアピールするための行動をさせて欲しいと相談していたのだが、断られてしまっていました。そのあたりも、ルールや規則の縛りが難しくしているのだと感じる」

東京五輪という国の威信をかけた大舞台で、20代の若者たちが中心となって活躍することは確かに難しいのかもしれない。だが、その状況に愚痴をこぼすのではなく、少しでも羽ばたこうとこの段階から翼を鍛える若者たちの姿を地球の裏側で見た。4年後の彼らの活躍が楽しみだ。

《大日方航》

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