カーショウは七回途中からマウンドに上がっていた、クローザーのケンリー・ジャンセンの後を継ぎ、九回途中からマウンドへ上がる。1死一、二塁の場面で今シリーズ絶好調のダニエル・マーフィーを打ち取り、続くウィルマー・ディフォも三振に仕留めた。試合を締め括ったカーショウにはセーブが記録された。
カーショウがプロでセーブを記録するのは、ルーキーリーグ時代の2006年以来。そのときに捕手を務めていたのは、この試合でカーショウの前に投げていたジャンセンだった。
Before #NLDS Game 5, @ClaytonKersh22 had one career save in pro ball.
— MLB Stat of the Day (@MLBStatoftheDay) 2016年10月14日
In the minors vs. #Nats' affiliate. @kenleyjansen74 was his catcher. pic.twitter.com/Yxp7HakKVt
もともと捕手としてドジャース入りしたジャンセン。転機となったのは2009年に行われた第2回WBC(ワールドベースボールクラシック)だった。オランダ代表の捕手として出場したジャンセンは、座ったまま二塁に鋭い送球を披露。この活躍が注目されて投手へ転向した。
珍しい記録にファンからは、「こいつは興味深い話だね」「言葉もないとはこのことだ」「おめでとう、クレイトン」などの声が寄せられている。
ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は七回に、カーショウから自分のところへ来て「必要なら行く」と話したとクローザー起用の裏側を明かした。監督は「トレーニング・スタッフと話をして、了承が得られたので登板させた。マーフィーの打席ではカーショウが必要だった」と語っている。なりふり構わない執念が生んだ勝利だった。