フェンシングの剣を手にした太田さんは「リオぶりですね」と笑う。太田さんは北京五輪で銀メダル、2012年ロンドン五輪では男子フルーレ団体で銀メダルを手にし、今年のリオデジャネイロ五輪でもメダルが有力視されていた。しかし、個人フルーレの初戦で敗退。現役引退を表明した。
「今日、持ってて違和感あるなと思ったら、8月以来持ってなかった。久々に剣を持ちました」
そう苦笑するが、剣を持つ姿はまさしく剣士。会場から熱い視線が集まった。映画について、「(フェンシングの)先生と生徒のこころの絆がひとつのテーマになってくるんじゃないかな。自分の現役時代に重ねさながら、こころ温まりながら観ました」と語る。
『こころに剣士を』の舞台は1950年初頭のエストニア。ナチスからスターリンへ支配者が変わった地で生きたフェンシング指導者の実話をもとに、元スター選手と子どもたちの絆が描かれる。
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太田雄貴さん
イベントには東京フェンシングスクールに通う小学生5人が登場。太田さんからフェンシングの手ほどきを受け、剣を振るう。会場にはクリスマスツリーが用意され、フェンシングの試合開始の合図「アレ!」の掛け声で剣をツリーに振りかざし点灯を行った。
太田雄貴さん(@yuking1125 )が子供たちとフェンシングでクリスマスツリーの点灯式!アレ!#こころに剣士を #フェンシング #クリスマス pic.twitter.com/mssPfNsQik
— CYCLE-やわらかスポーツ (@cyclestyle_net) 2016年12月12日
映画のコピーは『勇気の先に未来がある』だ。2020年東京五輪開催のために招致委員のひとりとして奔走した太田さん。未来のフェンシング界を担う子どもたちを前に、「今日ここに来てくれた子どもたち、彼らが目指していくオリンピックを、東京オリンピックを通して作っていくのが先輩としての僕の役目かなと思っています」と語った。
太田さんは11月末に国際フェンシング連盟の理事選に日本人として初めて当選、今後は理事に就任して選手とは違う側面からフェンシングに力を注ぐ。
『こころに剣士を』は12月24日(土)からヒューマントラストシネマ有楽町ほか、全国でロードショー。
配給:東北新社 STAR CHANNEL MOVIES
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