【インタビュー】スポーツブル・黒飛功二朗社長に聞くインターネットスポーツメディアの可能性 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【インタビュー】スポーツブル・黒飛功二朗社長に聞くインターネットスポーツメディアの可能性

オピニオン ボイス

スポーツブル・黒飛功二朗社長
スポーツブル・黒飛功二朗社長 全 4 枚 拡大写真
インターネット上でスポーツメディア『SPORTS BULL』(スポーツブル)を展開する株式会社運動通信社。野球、サッカーはもちろん、あらゆるスポーツの試合結果や情報を集約し、ディスプレーの向こう側の読者に日々届けている。

2020年東京五輪を控えた日本で、インターネットを通じてスポーツの世界を盛り上げていく運動通信社を起業した黒飛功二朗社長に話を聞いた。

株式会社電通を経て独立した黒飛社長。電通時代はデジタルマーケティング全般のプロデュースやコンサルティングに携わっている。そこから「広告代理業とは切り離した形で新規事業を生み出すことに特化した会社を作りたい」と思い描き、新たな道を歩み出した。

最初からスポーツにターゲットを絞っていたわけではない。「スポーツ以外のサービスや企業の課題をどう解決して成長させるか。それをサポートする仕事でシェアが多かったのがスポーツだった」という。(聞き手はCYCLE媒体統括・土屋篤司)

運動通信社の黒飛功二朗社長

■インターネット上のスポーツコンテンツを立ち上げる

---:まず、黒飛社長が起業したのは何年ですか?

黒飛功二朗社長(以下、黒飛):2013年です。最初は全方位でさまざまなサービスや事業の成長戦略を描く会社をやっていたのですが、今までのコンサルティングと違って実際の成長戦略を描いた上での成長施策をどんどん提案して実施する所までをやらせていただいていました。

そのためにかかる開発や制作を、そのまま受け持つ形でプロジェクトのなかに入って一緒に回していました。そのなかでもスポーツ(の比率)が大きくて、僕の起業するタイミングは東京五輪の招致が決まったときだったんですよ。「スポーツをどうにかしないと」という課題が世の中的に熱くなっていたタイミングもあり、舞い込んでくる仕事もスポーツが多くなってきた。決定的なのが高校野球でした。

高校野球の事業全体は複雑で、通常のプロスポーツとはまったく違う構造になっているアマチュアスポーツのトップ・オブ・トップだと思うのですが、メディア接触環境やスポーツに携わる各企業のニーズがどんどん変化していくなかで、何か新しい取り組みを高校野球でできないかと。そういう相談を放送局からいただいて、それで立ち上げたのが『バーチャル高校野球』というサービスです。

初年度はノンプロモーションで1000万ユニークブラウザアクセスが来ました。2年目は(高校野球の)主催者の朝日新聞社側にも写真や記事などコンテンツがあるので、「映像×記事×スタッツデータ」を組み合わせた高校野球総合ポータルという形でバーチャル高校野球をリニューアルして、そのタイミングで2000万ユニークブラウザアクセスに。

3年目はリオ五輪と(高校野球の時期が)かぶりました。アクセスが減るかもしれなかったのですが、結局減らずにちょっと増えて、2150万ユニークブラウザという着地になりました。

プロモーションコストをかけていない状態でこうなった。恐らくスポーツの大会をベースとしたメディアとしては、日本最大のアクセスを誇れるような状況まで、高校野球という軸でやってくることができました。

その案件は自分も真ん中に入り込んでやっていたので客観性もなかった部分もあり、あまり周りのことを気にしていなかったのですが、フタを開けてみるといろんな業界にいい意味でのハレーションを起こせたんですね。

例えば放送局の視点でいうと、テレビで中継しているものをリアルタイムでネット配信することは、今までワンセグを除くスマートフォンにシフトしてから、基本的にはほとんどのサービスでできなかった。見逃し(配信サービス)だったり、アーカイブされているVOD(ビデオ・オン・デマンド)はたくさん出てきましたが、リアルタイムでテレビのコンテンツを流す時点でまずセンシティブというか、インパクトのある風に放送局サイドからは思えましたね。

もうひとつはインターネットの世界でいうと、スポーツというコンテンツはやはりすごいんだなっていうのが具体的な数字で見えてくる。まとめ記事、違法動画など、権利をクリアにしていないもので、ネットのコンテンツやトラフィックが今まで作られてきた歴史があると思うんですね。そこがユーザー的に良かった部分ももちろんあるのですが、そうじゃない視点で見たときに、権利処理がしっかりされた歴史のあるコンテンツでインターネットはちゃんと盛り上がるという、マスメディア的な機能を果たせるんじゃないかという視点もインターネット業界からはありました。

放送業界からの視点、インターネット業界からの視点。あと各競技団体や他の競技の大会から見たときに、インターネットをうまく活用すれば自分たちの競技ももっと盛り上げられるんじゃないかという3つ目の視点ですね。

4つ目の視点もあって、企業がそこに絡めやすくなるんじゃないかと。要は広告主のニーズですね。インターネットにおける広告展開で一番大事なのは効果効率ですよね。ナショナルクライアントさんになってくると効果効率も大事ですけど、どういう所で自社のブランドが担保された形で広告が出ているのかどうか(も大切)。

どこに出ているかわからないネットワークで効率を回していく。これはこれでニーズはあるのですが、ブランドを意識している大きな企業は自社の広告がどこに出ているかこだわる所が多い。そのなかでいうと権利処理が完全にされて、高校野球のコンテンツしかない所でインターネット広告が出せる、マーケティング活動ができるというのは一定のニーズがある。4つの視点でインパクトのある仕事だったと思います。


■バーチャル高校野球の成功

---:インターネットで高校野球を扱うと著作権の問題に柔軟性がないと思うのですが、バーチャル高校野球をここまで膨らませることができた要因はなんでしょう?

黒飛:10年ぐらい前はマスメディア vs インターネットみたいな構造でビジネス誌の表紙になったり、放送局 vs YouTubeなどあったじゃないですか。あのときはIT企業が放送局を買収しようとする話もあり社会的に取り上げられ、グローバルのプラットフォームもどんどん入ってきた。日本の既存メディアからすると(インターネットは)敵なんじゃないかという対立構造があったと思います。

年月が経って、メディア接触においてのスマホシフトが強烈に早かった。誰でもスマホを持ってインターネット接続を行い、生活者視点でスマホが当たり前になったのがひとつの要因になったと思います。既存メディアは単にインターネットは敵という扱いではなく、活用して自分たちのビジネスを大きくしないといけないという感覚がここ数年で定着し、土壌ができました。

2020年東京五輪でも、五輪に関わっている競技ということは関係なく、スポーツというコンテンツが2020年に向けて変えていかなければいけない、もっと良くしなければいけないというのが、根元の部分で認識が共通化されていたのも土壌としてあると思います。

---:黒飛社長だからこそできた部分もあるのでは?

黒飛:今、インターネット×スポーツという領域で仕事をしているなかで、僕も感じながら努力していることでいうと、変えていかなければいけないことは幅がある。例えば、あったものを潰して新しいものを作るのも変えることだと思います。もうひとつは、今までの歴史だったり関わっているステークホルダーがどういう力学でこれまで運営してきたのかという所とか、各ステークホルダーの悩みだったり、ここがいいんだよというポイントに時間を割いて、しっかりヒアリングさせてもらうようにしています。

僕は両面が大事だと思っていて、ユーザーサイドから見たときに「なんでこうならないの?」ということに漠然と正解になるものがあったとするじゃないですか。だいたい正解なんですが、ここに実体を持っていく際に今までの歴史や背景、企業の絡み合い方をしっかり勉強させていただいて、こことここはそれほど離れていなくて、ちょっとした掛け違いやきっかけでつながるんじゃないかという所を、ふたつの視点をずっと通訳するみたいな。マッチングさせるためのコミュニケーションを意識しています。

---:相当、難しかったと思うのですが(笑)。私たちもよく「ウェブメディアだから取材NG」とはじかれる。バーチャル高校野球が成功に至ったポイントはありますか?

黒飛:高校野球だけではなく、いろんなトライをしたなかでできた話ですが。スポーツのビジネスにおいて、僕はプロフェッショナルというより通訳者です。その立場でいうともっともコミュニケーションを密にしたのは、その競技を放送している放送局で20人~30人の方が関わっているなかで、特にその競技に個人的な想いが強い人、その人の根元までヒアリングするのが大事なことだと思っています。

今までアウトプットできた仕事のほとんどが、その競技を人一倍愛している人と密にコミュニケーションできた案件なんですね。すごく好きっていう気持ちは両面あって、「育ってほしい」という気持ちと「このままでいてほしい」という気持ちが混ざっているんですよ。すごく好きな人はそこが両方あって、その人が「こっちに進もう」となれば周りが賛同しやすい。

野球に関わらず、一番この大会のことを想っている(と思える)人のなかをどんどん探って、何を残して何を変えてあげれば喜んでもらえるのかというのをユーザー目線でやっていく。それを僕は意識もしていますし、やっていて良かったなと思っています。

■なぜインターネットなのか

---:企業理念や目指す所、会社に根付かせたい哲学は?

黒飛:スポーツインターネットメディアができることの最大化、そこから日本のスポーツ文化自体を底上げしていく。加えて、「する」も「観る」も含めて、もっとスポーツを楽しめる環境を作りたいというのがビジョンとしてあります。ただ、もうちょっとコアな、スポーツの持っている喜怒哀楽を表現できる、共有できるようなメディアプラットフォームを作りたいというのが、運動通信社並びにスポーツブル事業に関して根元で思っていることです。

すべてに置いてこの要素を頭に置きながら仕事してほしいと、自分も含めて周りに言ってます。例えば編成という仕事、取材という仕事がありますよね。いろんな仕事があるなかで、どこかで喜怒哀楽を表現することを持っておいてほしい。情報をデリバリーすることにプラスアルファ、その起きた試合に対してメディアとして喜んでいるのか怒っているのか悲しんでいるのか、ハッキリしようということなんです。

プラットフォームというと無色透明、色が無いものという概念だと思うのですが、本来メディアはすごく色があっていい。スポーツ新聞とかでも、特定のチームに対して、一定の熱量みたいなのがあるじゃないですか。だから複数のメディアがある意味があって、メディアごとに軸がある。

ビジネス上はプラットフォームなんですけど、結局メディアということでいうと大きい軸、表現するすべてにおいて、スポーツの喜怒哀楽を感じられるメディアを作りたい。それはコンテンツを作るときもそうですね。情報で終わりにしたくない。どっちが試合に勝ちましたではなく、プラスアルファの感情の部分をメディア全体に浸透させていきたいです。

---:根本的な質問になってしまいますが、なぜインターネットなんですか?

黒飛:スポーツブルを立ち上げる最初の企画書に書いていることなんですが、『常にスポーツを手に持つ』という表現をしているんですよ。要は、体から一番近いところに24時間スポーツを置こうぜ!っていうコンセプトなんです。今の環境だったらPCもあり紙もあり、テレビもあり、ですけど絶対ケータイがある。寝ているときも横にありますよね。

常にどこにいても体から最も近いメディアって、たぶんスマートフォン。なので、インターネットにこだわっているというより、スマートフォンにこだわっていますね。デバイスにこだわっている部分があると思います。

---:そのなかで生まれた現状のサービスについて教えてください。

まず特徴としては、(コンテンツとして扱う)競技数は意識を持って増やしています。やっぱり既存のメディアはインターネットも含めて、7~8割が野球とサッカーです。年間の試合数や競技人口からすると当然なんですけど、それにしても野球とサッカーだけで終わっている。もうちょっとバランスを変えたいという想いがあって、オールスポーツで見たなかで、なるべくフラットに各競技の情報に接触できるメディアというのを意識しています。

---:海外のメディアで参考にしているところなどありますか?

黒飛:このメディアを目指そう、というのは正直無いですが、海外で成功したり成立しているスキームのメソッドを引っ張ってきて、混ぜて作っている部分はあると思います。分かりやすい所でいうとカレッジスポーツですかね。日本のアマチュアスポーツ、カレッジスポーツはプロスポーツと比較したときの落差がそうとう激しい。

コンテンツのボリュームの差がすごく激しいのですが、海外に目を向けてみるとカレッジスポーツのポータル事業はすごく盛ん。カレッジスポーツだけでもメディア事業が成立していて、大きなお金も動いていて。それがちゃんと還元される仕組みになっていて、より競技が発展する。1個のメディアを参考にしているというより、複数あるサービスの要素から混ぜられるものを混ぜたいという想いでやっていますね。

入り口は野球とサッカーでいいんですよ。そのついでに、エクストリームスポーツの動画に当たって「面白そう。こんな大会あるんだ」って知るみたいな。その横に、自分がトレーニングするときの参考になるコンテンツがある。きっかけはどこでもいいのですが、入ってから競技やカテゴリーをまたいで行ってほしいんですよ。

競技を縦で見るのは専門媒体でやっていただきたくて、僕がやらなければいけないミッションは競技の壁をまたぐこと。ひとつの競技の深掘りはもちろん一定以上必要ですが、今まで接触しなかった競技や情報に、スポーツブルに何らかのきっかけで来たことで当たる。そういう新しい接触の機会を常に生み出すメディアでありたいというのが、すごくありますね。

---:日本は野球とサッカーが極端ですよね。

黒飛:何でも多様性があった方がいいと思っています。「野球とサッカーが嫌い」という人もいるわけで、嫌いではないけど興味がない人も確実にいる。でも。その人は卓球だったら見たいと思うかも知れないし、陸上だったら見たいかもしれない。スポーツ嫌いだけど、ダイエットだったら興味あるとか。体を動かすことは意識していないけど、健康という切り口だったら興味あるとか。いろんなユーザーがいて多様なわけじゃないですか。

いっぱいコンテンツのフォルダーを用意してあげて、そこに入ってもらって、またいでもらう。規模でいうと野球とサッカーは大きいですが、逆に薄くもなるじゃないですか。競技が細かくなったりニッチになると、それでも見に来ている人はずっと(昔から)好きなんですよね。流行っている流行っていないに関わらず、ずっと好き。

でも、大きいものは世の流れに影響がある。そのとき日本が強いか弱いかとか、波が出てくる。僕はその両方を混ぜていくことで、丸い円を作りたいと思っています。


■東京五輪に向けた準備

---:スポーツブル事業の成長の曲線と読者のスポーツに対するバランス感覚、今後どういうスパンで変化が起きると思いますか?

黒飛:間違いなくマイルストーンとして大きいのは2020年の東京五輪ですね。五輪で何かをしたいというよりは、マイルストーンのひとつとして明確に置いていて、日本全体のスポーツ関心の合計値が、そこに向けて必ず一番高くなる。それが見えているなかで、この4年間でどこまでするのかがすごく大事だと思っています。

スポーツのこれまでの歴史で、競技のバランスや野球やサッカーだけじゃない多様性がひとつのポータルサイトのなかでサポートできるかどうかというテーマで、4年のスパンでは多分無理です。達成することは無理かもしれませんが、そのきっかけを作るための準備ができるちょうどいい期間だなとは思っています。

---:準備というのは、予測する数値みたいなものはあるんですか?

黒飛:2020年までに想いも含めてですけど、インターネットスポーツメディアで日本で一番のアクセスを獲れるようにはなりたいです。現状で一番アクセス数のある所に頑張って追いついていこうという想いはビジネス上ありますけど、そもそも今最大のスポーツメディアのアクセス自体も本当にスポーツ文化を向上させようという視点から見たときに、足りてるのかどうかわからない。

絶対王者がいたとして、その絶対王者に勝つんだとなったとして、仮に勝ったとしても達成されているかどうかは全然わからないと思っています。ナンバーワンを獲ろうぜっていう短期的な話もありながら、逆算でインターネットスポーツメディアの限界はどこなんだと思っていて、これ以上無理ですってアクセスは何だろうと探しながら、考えています。

---:期間は考えていますか?

黒飛:まずは五輪までに。みなさん成長されると思うので1番かどうかわかりませんが、1番~3番には必ず入っていて、いわゆるスポーツメディアの代表には短期的になりたいと思っています。スパンでいうと2年ですかね。

---:そのためには投資も必要かと思いますが、その辺りに注力していますか?

黒飛:時期によって違うと思うのですが、まず大事なのはコンテンツですね。各社さんと連携させていただいて、低コスト、もしくは何らかのバーターで記事をお借りしている状態をベースとして、この上にコストをかけて権利処理をした“ここ”でしか見れない、でも“ここ”だと無料で見れるものを乗っけていく作業を僕らの立場としてやらなければいけないと思っています。

---:マネタイズはブランドに対するものを狙っている?

黒飛:そうですね。ずっと広告収益だけでやっていくことではないのですけど、短期的に見ると無料広告媒体に舵を切っています。広告にアドネットワーク的なものも存在するものの、スポーツに協賛だったりサポートをしている企業のアクティベーションの場だったり、スポーツと企業のブランドを近づけたいと思っている会社が短期的に大会やキャンペーンでコミュニケーションすることじゃなくて、年間を通じて帯でスポーツとブランドをつなげていく場所として使っていただきたいというニーズがすごく高いですね。

---:イメージは競技場に広告を出すような感じですか?

黒飛:具体的にいうと(スポーツブルのコンテンツに)『CRAZY ATHLETES』というタブがあるのですが、ここは三井不動産さんの1社提供という形になっています。三井不動産さんは東京五輪のゴールドパートナーなのですが、企業のブランドとスポーツというコンテンツのブリッジをどんどん2020年までに強化したいというのがマーケティング課題です。ここに帯で紹介するドキュメンタリー映像を自分たちで作っています。

一番したいのは、企業側のビジョンやブランドと、自分たちのカッコいいと思っているものをちゃんと混ぜて、ここで動く広告費をコンテンツに変えたいんですよ。バナーを掲載する料金をいただくのではなくて、一緒にコンテンツを作るための資金をいただく。だから一緒に作れるという構造にしたいと思っています。

昔からスポーツを応援しています、今から応援しますという企業と一緒に、よりコンテンツジェネレーテッドなマーケティングをやりたい。そうすると媒体の価値も膨らみますし、そこに付いている企業もいろんなユーザーと接点が持てる。僕はそういう形がスポーツは非常に向いていると思っています。

---:2017年の取り組みのイメージは?

黒飛:各競技の充実した記事情報に加えて、無料で観られる映像をどんどん増やしていきたいです。そのコンテンツをしっかり携えた上で、サービスを知ってもらう活動を徹底的に行いたいです。動画コンテンツとプロモーションをミックスするということですね。ニュースキュレーションサイトとよく比較されるんですが、スポーツメディアとニュースキュレーションサイトで圧倒的に違うのは、ユーザーの興味関心がコンテンツ軸でしかないということですね。

ニュースは今日何が起きていたのだろうという報道に対する興味は、多くの生活者のベースとしてあるものですよね。でもスポーツのメディアは「あの試合どうなった?」とか「あれは勝ったのか負けたのか」とか、「あの」がコンテンツなんですよ。しかも競技にセグメントがあるんです。

ザクッとスポーツどうなっているのかな?と見る人は少なくて、「昨日の代表戦のゴールシーンはどうだった?」「昨日の高校野球、母校が出ていたけどどうなった?」とかモチベーションが具体的なんですよ。これはニュースとスポーツメディアの圧倒的な違いだなと僕は思っています、特にインターネットの部分に関してですね。

なので、コンテンツありきで知ってもらわないと、「スポーツだったらスポーツブル」と言っても誰も動かないです。「このコンテンツがありますよ。スポーツブルで見てください」と一個一個やらないとマーケティングにならない。2017年はコンテンツをしっかり用意するということと、そのコンテンツを見たい人たちに対してしっかりコミュニケーションするというのを細かくやりたい。その上で将来的にはピンポイントなモチベーションで入ってきたユーザーが、偶然横のコンテンツに接触して競技の幅を越えていくのを次のステップでやりたいと思っています。

見たい人とコンテンツをマッチングさせていく。コンテンツ制作並びにコンテンツの権利を買うこと、プロモーションをすること。これらをミックスして2017年はやっていきたいです。

●黒飛功二朗(くろとび こうじろう)
株式会社運動通信社代表取締役。2015年5月に運動通信社を起業し、2016年4月より『運動通信』サービスをβ版として開始。同年8月に朝日新聞社と朝日放送が共同運営する全国高等学校野球選手権大会サイト『バーチャル高校野球』と連携。同年10月からサービス名称を『SPORTS BULL』に変更し、11月にはKDDI株式会社、株式会社朝日新聞社、株式会社ABCホールディングスを引受先とする第三者割当増資を実施し、KDDI株式会社とは協業契約も締結した。

《編集部》

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