【小さな山旅】寺院と樹木は古い方がいい…茨城県・椎名山 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【小さな山旅】寺院と樹木は古い方がいい…茨城県・椎名山

オピニオン コラム

椎名山薬王院。奥に見えるのが三重塔
椎名山薬王院。奥に見えるのが三重塔 全 8 枚 拡大写真
山に神社仏閣はつきものである。筑波山の男体山からの連なりに、こんもりとした小さな山・椎尾山(標高256m)がある。その中腹にも寺がある。

その寺の名は、椎名山薬王院といい、「椎尾薬師」の名で地元の人々に親しまれている。このお寺がとても古い歴史を持っていて、創建は西暦782年(延暦元年)。6世紀末頃に建てられた日本最古の寺・奈良県の飛鳥寺と比較してみても、遜色のない古さだ。

現存するのは、西暦1680年に建て直されたものだが、それでも堂々とした風格が漂う立派な寺である。境内にある三重塔は1704年に建立。こちらもまた、古くて立派な建物で、その建築様式は法隆寺の五重塔に似ているとか。

本堂から見た筑波山

また、古くて立派なのは寺だけではない。三重塔のすぐ隣には、古くて立派な椎の木(スダジイ)がある。神社仏閣には古木や巨木はつきものであるが、この古木は樹齢500年にもなるというから、そんじょそこらの木とは格が違う。現存の寺院よりもずっと昔から、この木は生きていることになる。

このような古木が、椎尾山の山域にはたくさんあって、秋になるとそれはそれは見事な紅葉が見られるのだそう(登山日は2月)。この古木と古刹(古い寺)が、椎尾山を厳かで神秘的な雰囲気に仕立て上げているのは間違いない。

さて、この椎尾山だが、ハイキングとしては単体で登ると参拝以上には成りえない山である。薬王院までは車ですいすい行けてしまうし、ピークはヤブの中にあるらしく、場所が定かではないので行く気もしない。それでも、山歩きに来たのだから、やっぱり山を歩きたい。という方は、椎尾山から筑波山を目指すべし。境内の奥の方に墓があるが、そのさらに奥を進めば筑波山へとつながっている。

この山域には、樹齢300年から500年の古木が多いそうだ

山歩きとしては物足りないが、椎尾山の古刹と古木には山歩きとは別の魅力があった。女房と畳は新しい方がいいというが、寺院と樹木は古いほうがいい。椎名山にあるそれらには、筆者が今まで見てきた神社仏閣と古木の中でも、特別な雰囲気と品格が漂っていた。

低山ばかりとはいえ、いくつもの山に登り、いくつもの神社や寺社を参拝してきた筆者は、神様、仏様の間では、浮気者として、もしくは神頼み(仏)ばかりする怠け者として、そろそろ顔を覚えられてきたかもしれない。

そして、「こいつの願いを叶えてしまっては、さらに怠けるに違いない」と思われているかもしれない。それでも筆者は山に登り、神様仏様に願をかける。そのうちに神様仏様と顔なじみになって、あわよくば友達になって、参拝したら何か特典がもらえるようになったらいいのになぁ。

《久米成佳》

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