【LONDON STROLL】ラニエリ監督解任で揺れるイングランド・サッカー界 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【LONDON STROLL】ラニエリ監督解任で揺れるイングランド・サッカー界

オピニオン コラム

レスターシティのラニエリ監督 参考画像(2017年2月22日)
レスターシティのラニエリ監督 参考画像(2017年2月22日) 全 3 枚 拡大写真
昨シーズン、世界のファンを魅了したラニエリ監督率いるレスター・シティ。だが、同監督はチャンピンオンズ・リーグのラウンド16の第1戦レグ、セービジャ戦後に解任された。

今シーズンは昨シーズンとは違い、プレミア・リーグ第25節を終えた時点で降格ゾーンまで勝ち点1差の17位。昨シーズン就任したラニエリ監督の口癖だった“まずは勝ち点40が目標”が懐かしい。

奇跡のプレミア・リーグ制覇を成し遂げたクラブではあるが、勝ち点40という目標こそがレスターの現実なのである。忘れてはならないのは、ラニエリ就任前のレスターは最後の最後でプレミア・リーグ残留を勝ち取ったクラブなのである。

また、今シーズンはプレミア・リーグ制覇で初のチャンピオンズ・リーグ参加、過去には経験のない未知の試合数をチームは戦っている。そんな状況下でもチャンピオンズ・リーグ予選を首位で突破し、先日スペインの強豪セビージャとラウンド16の第1戦を戦った。

前半は圧倒的に支配され、敗色濃厚ではあったが、後半にレスターらしいカウンターから、エースのジェイミー・ヴァーディが貴重なアウェイゴールを奪った。エースの久しぶりのゴールで試合を1-2で終え、ホームで行われる第2戦へと望みをつないだはずだった。

アウェイゴールを奪ったヴァーディ
(c) Getty Images

この直後にクラブがラビエリ監督を解任したことに、多くのサッカー解説者が驚きのコメントと解任したレスターを批判する声が飛び交っている。

ずるずると降格圏へと落ちてゆくレスターのここ最近の話題は、ラニエリ監督を解任するべきか、このまま継続させるべきか、と討論されることはあったが、多くの解説者は昨シーズンの功績を讃え、続投の声が多かった。

レスターの不調の大きな問題は主に2つあるのではないかと私は思う。

まず1つ目は、エンゴロ・カンテのチェルシーへの移籍。昨シーズン、中盤でボールを奪取し続けてきた彼の移籍の代償は計り知れない。カンテは昨シーズン同様、またはそれ以上の活躍をチェルシーで見せている。

2つ目は、補強策の問題だろう。2016年夏に立て続けにクラブ最高額で補強した攻撃陣が補強額に見合う結果を残せていない。そして、カンテを失ったポジションの補強も同様である。元々選手層の薄いディフェンス陣。特にセンターバックのポジションの補強ができなかったことも大きいだろう。

新しい攻撃サッカーは実らず
(c) Getty Images

レスターのカウンターを相手チームに研究され、一辺倒なカウンター策ではなく、新しい攻撃サッカーを増やし、チームに厚みをつけたかったのは理解できるが、ことごとく失敗に終わり、降格圏に接近してしまった。クラブは、ラニエリを解任することで状況を打開し、レスターの復活にかけたのだろう。

しかし、クラブ初のプレミア・リーグ制覇を成し遂げた偉大な監督であるラニエリ。 そして、もともとレスターには定位置とも言える、降格争い。現在のサッカー界には人情がないのだろうかと、問う者いる。彼の名前をスタジアムにつけてもおかしくないと言う者までいたのだから、 多くの人が彼の功績を讃え、解任に失望している。

昨シーズン、奇跡の優勝をせず、レスターが残留だけをしていれば、ラニエリ監督も今シーズン解任されることもなかっただろう。だが、過去を塗り替えることはできない。果たして、ここまでの決断を下したレスターは今季をプレミア・リーグ残留という最大の目標を成し遂げられるだろうか。残すはあと13試合。レスターはラニエリが口にしていた勝ち点40を勝ち取れるだろうか。

《Takaharu Osako》

関連ニュース

編集部おすすめ