3戦全勝という最高の滑り出しを見せた日本。2連勝して迎えた3月10日の中国戦では、1、2戦で先発した青木宣親外野手（アストロズ）と坂本勇人内野手（巨人）をさげ、田中広輔内野手（広島）と平田良介外野手（中日）を先発させたほか、鈴木誠也外野手を本来の右翼ではなく中堅の守備位置につかせるなど、スタートからさまざまなことを試した。
投げては、藤浪晋太郎投手（阪神）は8人の打者を相手に4つの三振を奪い、松井裕樹投手（楽天）は3者連続三振を奪う快投を見せるなど、今大会初登板の投手が躍動した。ほぼ全員の選手が好調を維持したまま期間をあけずに2次ラウンドに臨めるのは心強い。
特筆すべきは、恐怖の下位打線を形成している8番・松田宣浩内野手（ソフトバンク）と9番・小林誠司捕手（巨人）。まだ3試合ではあるが、松田が打率.545、1本塁打、5打点。小林が打率.500、1本塁打、3打点であるほか、3犠打、1犠飛とほとんどの打席でチームに貢献している。
すでに3犠打を決めている小林誠司
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両選手はWBC前の強化試合では思うような結果を出せず、本戦での先発出場もどうかと目されていたが、ここまでは小久保裕紀監督はじめ首脳陣の起用が見事に的中している。
松田は初戦となったキューバ戦の第1打席でセンターへ安打を放つと、3点本塁打を含む4安打4打点と大活躍。小林は初打席で松田に続くようにセンター前へ運び、第2打席では犠打を決めて上位打線につなぎ試合の流れを引き寄せた。
松田が打席に向かうと球場には一番の大歓声があがり、「打ってくれる」という期待感が充満する。それは小林のときも同じだ。
開幕戦で爆発した松田宣浩
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象徴的だったのは中国戦の2回裏。松田がレフト前へ安打を放って出塁すると、続く小林が打った瞬間にそれと分かる豪快なアーチをレフトスタンドにたたきこんだ。
小林が少し照れくさそうに笑顔を見せながらベースをまわる間、日本ベンチはお祭り騒ぎ。球場は異常ともいえる盛り上がりを見せていた。
