クリスチャン・イエリッチのタイムリーなどで六回表までに5点を奪ったアメリカ。裏のマウンドには前のイニング途中から引き続きタナー・ロアークが上がった。ロアークは先頭を抑えるが続くマニー・マチャドに一発を浴びる。
レフトスタンド最上段まで飛んだ特大の一発に沸き返るドミニカ応援団。これで完全に流れを持っていくと、動揺するロアークを攻めてこの回さらに1点を返す。
アメリカのジム・リーランド監督は七回のマウンドにもロアークを送るが、先頭のスターリング・マルテを二塁打で出したところで降板。代わって上がったデービッド・ロバートソンがタイムリー二塁打を打たれた。
継投が後手に回ってドミニカの勢いを止められないアメリカ。八回頭からアンドリュー・ミラーを登板させるが、先頭のホセ・バティスタに死球。カルロス・サンタナにヒットを打たれ、クルーズには内角のスライダーをレフトポール際に運ばれた。
マルテにもミラーは一発を浴び、アメリカは2点差で最終回へ。ドミニカはシーズン51セーブの右腕ジェウリス・ファミリアをマウンドに送り、最速163キロの速球でアメリカ打線をねじ伏せた。
この試合に野球ファンからは、「やはりミラーは去年の登板過多が効いてるな」「国際試合は何が起こるか分からない」「アメリカもドミニカも強い。グループA・Bとは野球の質が違う」「クルーズカッコよすぎかよ。ドミニカ全勝してくれ」「ドミニカ強すぎるだろ。勝てる画が想像できない」などの声が寄せられている。
●勝負を分けた継投のタイミング
この試合では大きな勝負の分かれ目が六回にあった。ロアークがマチャドに特大の一発を打たれ、それまで球場に漂っていたアメリカ勝利の雰囲気を払拭したところだ。ここでリリーフを送る選択肢もあったが、ロアークを登板させドミニカ打線を勢いづかせてしまった。
ロバートソン、ミラーがマウンドに上がったときはすでにドミニカの応援団も選手も自分たちの逆転を信じて疑っていなかった。
.@ncboomstick23 put a team on his back and a country on its feet. #WBC2017 pic.twitter.com/c2tB3D0LOk
— WBC Baseball (@WBCBaseball) 2017年3月12日