同イベントには中田さんが全国から選んだ100の酒蔵が集められ、日替わりでテーマを変えて日本酒を紹介。日本酒の奥深さや発酵をテーマにした食事も楽しめるもの。
ネスレ日本は昨年2月に同社の人気商品キットカットで「日本酒味」を展開しており、「抹茶味」と同様に日本を訪れる外国人観光客の定番みやげとして人気だ。ネスレ日本の担当者は「将来、抹茶味を追い越すぐらい売れる新しい日本みやげを、という思いで開発しました」と語る。
日本酒味のリニューアルは日本酒に詳しい中田さんとコラボレーションをすることで、より本格感を目指すという。
「普通、日本酒が入っているお菓子は、ほとんど日本酒を感じられないものが多いと思います」と話す中田さん。現行のキットカット 日本酒味について「日本酒の味も感じられながら、でもチョコとしてもまとまっていて美味しいと思った反面、これどこの酒粕を使っているんだろう?という疑問もありました」と明かす。
自身がプロデュースした日本酒イベントでは、酒粕が違うと同じ料理を出しても味が変わってくることを感じた。そういったこともあり、キットカット 日本酒に「より、この味を突き詰められるんじゃないかな」と思ったという。
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この日は菊川さんの他に、シェフの生江忠伸さん(レフェルヴェソンス)とパティシエの川村英樹さん(アテスウェイ)も登壇。5名で新日本酒味として開発中の2種類のキットカットを食べ比べた。
生江さんが「Aが柔らかく優しい感じ、Bがシャープな感じ」とそれぞれの感想を話すと、川村さんも「現行品と香りが違う」と開発段階ではあるが新商品に期待を寄せる。
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5名で好みを選ぶと3対2で評価が分かれた。Aは香りが鼻に抜ける感じ、Bは強く差し込まれる感じと表現した菊川さんはAを「優しい感じが好きでした」と選択。生江さんは「海外へのおみやげにはこういうフレーバーがウケる」、川村さんは「インパクトがあった」とBの札を上げた。
Aを上げた中田さんは、「日本酒の入門編というか、食べやすさや日本酒の上品さがこっちの方が出ていた。シェフのようにマニアックになってくると味がシャープな方が好きなんじゃないかな?」と笑う。
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まだ開発途中にある2種類の新日本酒味は、4月16日までCRAFT SAKE WEEKで一般来場者にも270組限定で提供される。投票権も与えられ、人気が高い方が今秋発売となる予定だ。
Aに一票投じたネスレ日本担当者は、「(開発の)最後に残ったふたつの味を一般の方も巻き込んで、味を決めていこうと思います。一般の方に試作中のものを食べていただいて味を決めていくことは、キットカットとして初めてやっていくこと。楽しんでいただけたら」と新しい取り組みに期待を寄せた。