【THE INSIDE】今年もやはり“戦国東都”に変わりはない…大学野球探訪(3) | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【THE INSIDE】今年もやはり“戦国東都”に変わりはない…大学野球探訪(3)

オピニオン コラム
【THE INSIDE】今年もやはり“戦国東都”に変わりはない…大学野球探訪(3)
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大学野球の歴史は、早稲田大と慶應義塾大の早慶戦に始まった東京六大学野球が原点となっている。

その東京六大学野球の最初のリーグ戦から遅れること6年、1931(昭和6)年春に中央大、日本大、専修大、國學院大、東京農業大によって五大学野球連盟が結成されたことで東都大学野球がスタートしている。この、連盟発足から大学リーグとしてのスタートまでには、もちろん東京六大学との関係を含めて、さまざまな経緯もあったようだ。

やがて、東農大の出入りや東京商大(現一橋大)の加盟。一時的には6校で一部二部制とするなどの時代を経て、1939(昭和14)年からは、6校リーグで推移していった。

太平洋戦争では43年から3年間の中断を余儀なくされたが、46年春には復活。6校が揃った。その後、慈恵大(現慈恵医科大)や東京文理大(東京教育大を経て現筑波大)などが参加したこともあったが、やがて50年春からは二部制の現在の形に落ち着いていく。

ちなみに、当時は日大と専修大と中央大が常時優勝を争っていた。この3校に、國學院大を含めた創設当初からの4校が、67年の時間を経ても今季を一部で迎えることは意義深い。

シートノックを終えて、相手校ベンチに挨拶をする専修大

もっとも、連盟としては加盟校の変遷。当時準加盟だった東海大などの何校かが、連盟を脱退して新連盟(現在の首都大学野球連盟)を新たに発足させ、64年には21校となった。一部から三部までが各6校ずつ。そして四部は3校という編成だが、今日までこの編成は継続されている。

東都の面白さは、キャッチフレーズとしている“戦国東都”の名の通り、どこが勝つのかわからないという勢力伯仲の戦いにもある。そして、一部優勝校でも、次のシーズンには最下位となるどころか、入替戦も失って二部降格ということも、過去に何度かあった。

東都大学野球連盟ポスター

近いところでは、2009年秋に悲願の初優勝を果たした立正大が、翌春には二部に降格している。さらに翌年秋は、リーグ創設以来の加盟校である國學院大が、創部以来の初優勝を果たしたものの、やはり翌春には最下位となり、入替戦も日本大に敗れて二部に降格した。國學院大はその後、12年春に二部優勝で昇格。秋は4位だったものの、以降は毎年のように一部の優勝争いに顔を出している。

しかし、ことごとく亜細亜大の壁に跳ね返されてきた。15年秋は、優勝争いをしていたが、最終戦で亜細亜大に勝てば優勝という場面で敗退すると、いきなり5位に落ちるという東都リーグの厳しさを実感させられている。

その國學院大は、この春から伝統のユニフォームのデザインを少し変えた。ストッキングにスクールカラーの“古代紫”のラインを加えた。鳥山泰孝監督は、「もうひとつ壁を破りたいということもありますが、いろいろ試作しながら、あまり大幅に変えるわけにはいかないのですが気分転換も図ってみました」と、ユニフォームにもフロントラインが入り、パンツにもサイドにラインが一本入って新しい「KOKUGAKU」のユニフォームで、第1週の初戦は引分けたものの、専修大に連勝と幸先よくスタートした。

新しいユニフォームで投げる國學院大・山岡就也君(3年・広島新庄)

その専修大も、14年秋に二部優勝して4季ぶりに一部復帰し、伝統のユニフォームを齋藤正直監督の案で思い切ってイメージチェンジした15年春のリーグ戦で優勝。新しいユニフォームの縁起のよさを示している。

昨秋は日本大が25季ぶりの優勝を果たしたが、この春は69年以来の連覇に挑むことになる。何しろ歴史の長いリーグ戦である。ちょっと何かがあったら、「何十年ぶり…」ということもザラである。それは、それだけ新しい勢力も台頭していきながら、如何に勝ち続けていくことが難しいのかということも表している。

そのような中、直近でも何度も連覇を果たしているのが亜細亜大だ。やはり、近年の東都リーグでは最も安定した力があることは認めざるを得ないであろう。その亜細亜大を目標としながらも、各校がそれぞれの色合いを出しながら激しい戦いを演じていくのが東都リーグの最大の魅力である。

神宮球場の一部リーグだけではなく、今季は大田スタジアムと大和スタジアムをメインとし、サーティーフォー相模原球場や最終週は上尾市民球場でも行われる東都二部の試合にも注目していきたい。

一部二部を含め、今年もやはり“戦国東都”に変わりはないのである。6月中旬、全日本大学選手権大会の後に組まれている入替戦まで、今季も目が離せない戦いが続く。

《手束仁》

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