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ナイキ、マラソン2時間切りプロジェクト「Breaking2」成功へ向けての取り組み公開

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ナイキ、マラソン2時間切りプロジェクト「Breaking2」成功へ向けての取り組み公開
ナイキ、マラソン2時間切りプロジェクト「Breaking2」成功へ向けての取り組み公開 全 2 枚 拡大写真
ナイキは、マラソン2時間切りを目指すイノベーションプロジェクト「Breaking2」の成功へ向けての取り組みを公開した。

「Breaking2」は、エリウド・キプチョゲ、レリサ・デシサ、ゼルセナイ・タデッセの3人のアスリートが、マラソン2時間切りという前人未到の記録に挑むイノベーションプロジェクトだ。マラソン2時間の壁を破るためには、最速のマラソン記録である2時間02分57秒よりも3%早く走る必要があるため、26.2マイルのそれぞれ1マイルにつき、7秒早く走らなくてはいけない。

3人のアスリートと協力するという決断に至った理由の大部分は、彼らがもともと他のランナーよりも早く長く走ることができるという事実からだ。Breaking2のコーチや科学者のチームは、日々のトレーニングや補給の戦略を大きく変えるのではなく、最適化することが2時間切りを現実にする最適のアプローチだと考えた。

Breaking2を科学的側面から統括するナイキスポーツ研究所のナイキ エクスプロア チーム・ジェネレーション リサーチ担当ディレクターのブラット・ウィルキンズ博士と、ナイキスポーツ研究所の研究者で主任生理学者のブレット・カービー博士は、サブ2マラソンの夢を彼らが力を合わせることで実現できる可能性があるという理由を明かした。

カービー博士は「エリウドは、自分の反応や主観的な運動強度でペースを調整します。全般的な持久力をフォーカスしていたデシサはたくさんの長距離走で、軽めから中程度の基本的なランを多く行いました。プログラム後半になるとスピードと強度を高めるために、トラックでのワークアウトを増やすようにしました。タデッセの戦略は、デシサのほぼ逆を行くものでした」と話す。

アスリートたちは、一般的にやる気を維持するために他の人と一緒に走る。デシサには6人から8人の仲間がついており、キプチョゲはロングランのときには最大60人程度の地元ランナーやプロランナー、コーチからなる大きなグループと一緒に走る。タデッセは一人で走ることが多いという。

3人は、誰も標準的なクールダウンと考えられている行為は行わない。週に100マイル以上走る彼らにとって、最も重要なのは回復だ。たいていは週に1度か、必要に応じて休息日を取っている。特にハードなトレーニングの後には、最大で週に3回マッサージを受けるアスリートもいる。

彼らはウエイトを上げたり、ヨガをすることもない。トレーニングプログラムはそれぞれ全く違うものだが、ランニングが全てだ。ウィルキンズ博士は、「一般的にここまでのレベルのランナーは、それほど柔軟性はありません」と述べている。研究によると、柔軟性が低い方がパフォーマンスの高さに繋がる傾向があるという。「足が硬いほうがエネルギーロスが少ないという理論です」とウィルキンズ博士は語っている。

また、ウィルキンズ博士とカービー博士は、炭水化物を50~75%、タンパク質を20~30%、残りを好きな物で摂取することを勧めている。例えば、きついトレーニングの後はすぐにタンパク質と炭水化物、アスリートがすぐに食事ができない場合には回復用の飲み物を摂ることを提案している。

3人のアスリートは、高地で生活し、ほとんどのランニングをそこで行っている。ウィルキンズ博士は「高地は酸素が薄いため、長期的に生活すると赤血球の数が増えて、血液がよりたくさんの酸素を筋肉に運べるようになるのです。筋肉の酸素量が増えると、機能が良くなり、より遠く、より早く走るために役立つのです」と話す。

各アスリートのデータ分析と試行錯誤の結果、理想的な補給時間を2.4kmごとに決定。科学者たちは、これはアスリートにとって全く新しいことになると述べている。

《美坂柚木》

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