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ベルリンの歴史ある建造物の行く末--旧市営火葬場の場合…A trip to Berlin

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エントランスの門に施された炎のモチーフ。ここが火葬場でだった事実を物語る
エントランスの門に施された炎のモチーフ。ここが火葬場でだった事実を物語る 全 20 枚 拡大写真
元○○という肩書を持つ場所が、ベルリンには非常に多い。古いものを一掃し、ビルを建てまくっている東京とは対照的に、築年数で言えば100年を超える建造物を利用した文化施設、ホテル、ミュージックスポットなどがクールで文化的ともてはやされている。「ベルリンの歴史ある建造物の行く末」では、数奇な運命を歩んできた都市の歴史と最先端のカルチャーが一元化される、唯一無二の空間を紹介する。


ヴェディング地区の火葬場跡地を利用した複合文化施設

今回訪れたのは、ヴェディング地区の閑静な住宅街にある複合文化施設「サイレント グリーン クルチュアクウァルティーア(silent green Kulturquartier)」。一見すると、公園のように穏やかな佇まいだが、ここは1911年に創設されたベルリン初の火葬場の跡地。1世紀近くにわたり、市民の永遠の旅立ちを見送り続けた場所だ。


セレモニーホールをリノベーションしたイベントスペース

2001年に火葬場を閉鎖後、放置状態だったその旧施設を、現CEOのJorg Heitmann氏が文化施設として再生しようと購入。2013年からプロジェクトが始動し、現在、セレモニーホールをリノベーションしたイベントスペースやアートギャラリーをはじめ、当時は事務所や待合室として使われていた貸オフィス、開放的なテラス席があるカフェ&レストランなどが解放されている。イベントスペースでは多ジャンルの音楽、映像、パフォーマンスなどのイベントが開催され、別れの場所が、昼夜賑わいを見せるカルチャーハブへと変貌した。


豊かな緑に囲まれたレストラン&カフェ。隣に墓地が見えるのも、この場所ならでは

現在、実際に立ち入りができる場所は施設の一部に過ぎず、再生プロジェクトはいまだ進行中。撮影が禁止されているため、ここで写真を紹介することはできないが、今後、空スペースとなっている広大な遺体安置室を、アーティストのためのレジデンスとして開放する予定だという。


当時、事務所や待合室として使われていた棟。現在はオフィススペースとなっている。

これまでにリノベーションを終えた場所を除いて、建物は閉鎖当時のまま保存されている。火葬場の面影を見て取れるその場所は、やはり奇妙ではあるが、その静寂が不思議と心を落ち着かせる空間だ。

ベルリンの歴史ある建造物の行く末--旧市営火葬場の場合【A trip to Berlin】

《Jun Igarashi》

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