Googleが描く「DMP×AI」プラットフォーマーへの道
オピニオン
コラム
Googleを説明する必要はないでしょう。検索世界最大手。我々のようなデジタルコンテンツを扱う事業者にとっては、「神」といっても言い過ぎではないほどに、デジタルコンテンツ界隈では絶大な存在です。
◆デジタルデータを整理するからビジネスモデルは考えて
さて、そのGoogleが、アドバタイジングウィークで持ち出したプレゼンテーションは、大雑把にいうと、「データを活用したビジネスの成長をGoogleが支援する」というもの。Googleを知る方からすれば、そんなことはGoogleは今もやっている、と目新しくはないように思えるでしょう。
確かに、Googleの目指すところは一貫しています。現在も検索をフックにデジタル広告の巨大な窓口になっています。検索などで収集したユーザーデータを生かして、広告効果の最大化に向け常にチューニングする。そこに我々のような事業者を含むコンテンツ制作事業者を巻き込んでいきます。「Googleはデータと分析、広告のプラットフォームは用意する。事業者のみなさんは良いコンテンツと、ビジネスモデルを考えてください」ということです。
◆集客、データ、広告
検索という集客装置、集客で集まったデータ、集客したユーザーに当てる広告のプラットフォーム。これを握るGoogleは強力です。ただここにきて、Googleがリスクと見なしているものがあるとすれば、Facebookなどの登場もあり、集客装置の機能低下、すなわち検索ニーズの減少ではないかと思います。極端ですが、仮にGoogle検索を使わないということが起これば、データは集まらず、広告売上も目減りします。
もちろん、リスクとしては大きいものではないかもしれませんが、ここに先手を打つのがGoogleの凄み。アドバタイジングウィークではその先手について垣間見えたのです。
Googleアナリティクス、GA。Googleが無料で用意するサイト分析ツールです。サイトへの訪問者数や滞在時間、アクセスされた場所、人気コンテンツ、リアルタイムのサイト訪問数、どんなサイトを経由して自分のサイトに流入したか、、、などなど、無料でも膨大なサイトデータが把握できます。これには有料プランがあり、無料プランでは叶わない、高度なデータ蓄積、分析、アクションプランへのヒント構築が実現するのです。
◆「DMPーAI」は任せて
アドバタイジングウィークでは、このGAをベースにしたデータの活用事例が紹介されました。一瞬DMP（データ・マネジメント・プラットフォーム）と見間違えるようなものでした。Googleはプレゼンテーションで「DMP」という用語は使っていません。しかし、既存のGoogleが展開するサービスの延長にはDMP的な機能が果たされる、もしくはすでに果たされている。これは自然な流れです。
そして、「GoogleのDMP」で溜まったデータに対して、機械学習により整理をかける。整理したデータをビジネスに活かすという流れなのですが、この機械学習を行うのは、AI（人工知能）です。GoogleはこのAIについても用意しています。Google翻訳の精度が急激に向上したのは記憶に新しいところですが、この背景にもAIの高度化があります。
◆半導体、ムーアの法則
GoogleのAIを高度化するには、半導体の性能向上が欠かせません。GoogleはTPU（Tensor Processing Unit）という半導体を2016年に発表しています。機械学習に特化した半導体で、この半導体の性能向上は、Googleのサービス精度の向上ニアリーイコールです。
この1、2年、「半導体の集積率は18か月で2倍になる」とするムーアの法則の限界が叫ばれていますが、自社半導体で対応する。このあたりにも抜かりがないのがGoogleです。
アドバタイジングウィークでGoogleは、言葉には出さずとも「『DMP』『AI』は用意するから、事業者のみなさんはこれを使った『ビジネスモデル』を考えてください」とメッセージを放ったように感じます。DMP事業者ならびにAI事業者も多数存在しますが、Googleは有力なDMP/AI事業者を買収しながら、次の主戦場であるデータ/人工知能のプラットフォーマーとして覇権を握る準備、環境を構築しています。そしてそれは、すでに完成しつつあるようです。
《土屋篤司》
≫貴重な水着ショットも披露！｢もはや高校生には見えない｣大人っぽい池江璃花子、沖縄・石垣島の海を満喫
≫ケンブリッジ飛鳥と滝沢カレンが似てる？リオ五輪時から密かに話題だった
≫レアル所属・中井卓大ってどんな選手？…「リアルキャプテン翼」と呼ばれた少年時代
