リーガ・エスパニョーラのヘタフェに移籍した柴崎岳が7月21日に入団会見を行った。会見では背番号『10』を着けることが発表され、新天地でも早くから攻撃の中心選手として期待されている。
■「攻撃面で多くのものをもたらす」、「希望するポジションはトップ下」
「リーガは世界でも最高のリーグだと思っていますし、たくさんのビッグクラブがあるリーグなので、それらのクラブと対戦できることを楽しみにしています」
欧州最高のクラブを決めるUEFAチャンピオンズリーグ(CL)でも、4季連続で優勝チームを排出しているリーガ・エスパニョーラ。世界最高に数えられるリーグのひとつに挑戦するが、柴崎には少しも臆したところはない。
「主に攻撃の面で多くのものをもたらせると思っていますし、少しでも勝利を積み重ねて上の順位に、という個人目標はあります」と会見からアピールする。
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入団会見で攻撃面をアピール
(c) Getty Images
希望するポジションとしては「求められれば、どのポジションでもやる気持ちはありますが、メディアプンタ(トップ下)が一番合ってるんじゃないかと個人的には思います」と希望を伝えた。
「ヘタフェのスタジアムにより多くの日本人の方に来ていただきたいと思いますし、ヘタフェからリーガの魅力を発信していきたいなと思います」
■平坦ではなかったリーガ1部までの道のり
昔からの夢だったというスペインでのプレー。その扉を開いたのは2016年12月に行われた『FIFAクラブワールドカップ』だった。決勝のレアル・マドリード(スペイン)戦で2ゴールを挙げた柴崎は大きな注目を集め、海外メディアからも絶賛される。
その活躍により年が明けると海外移籍の機運は本格化する。しかし、ここからの道のりが平坦ではなかった。
リーガ1部のラス・パルマス入団に近づいていると伝えられた柴崎。現地入りして正式契約に備えていたが、直前でラス・パルマス側が補強の終了を宣言し移籍話は消滅。柴崎の去就は不透明なまま残された。
移籍期限ぎりぎりの1月31日にリーガ2部のテネリフェ入団が発表されたものの、慣れない生活環境への適応に苦しみ体調を崩す。この時期には柴崎の移籍を失敗と見なす声も出た。だが周囲の雑音に惑わされることなく、柴崎は徐々にコンディションを整え試合での出番を増やしていく。
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昇格PO準決勝ではゴールを決める(2017年6月18日)
(c) Getty Images
テネリフェは昇格プレーオフで勝ち上がり、決勝ではヘタフェと激闘を演じた。テネリフェは2戦合計スコアで敗れたが、柴崎は2試合ともアシストを記録。この活躍がヘタフェからの評価を高めたのは間違いない。
#柴崎岳 が2試合連続アシスト!!#テネリフェ が重要なアウェイゴールを決めた。
— DAZN ダ・ゾーン (@DAZN_JPN) 2017年6月24日
試合の行方はどうなる?#ラ・リーガ2部 を観るなら https://t.co/u4BaoHt81Q で。 pic.twitter.com/XR8jvHgNSw
■複雑なテネリフェサポーター、柴崎は古巣に感謝「温かくサポートしてもらった」
昨季リーガ2部で活躍した柴崎には複数のクラブから関心や興味が伝えられていた。そのなかでヘタフェを選んだ理由について聞かれると、「一番クラブからの熱意というか、必要とされていることを感じました」と答えた。
「対戦したときも2部では違いがあるなと思った唯一のクラブで、対戦したなかでは最も難しい相手だなと思っていました」
決勝プレーオフで敗れた相手への移籍には、テネリフェのサポーターから複雑な声もある。よりにもよってという感情は彼らからしてみれば当然だろう。だが柴崎はテネリフェの恩を忘れたわけではない。会見ではスペイン挑戦の機会を与えてくれた古巣に感謝の言葉もあった。
「昨季プレーしたテネリフェにも感謝しています。非常に温かくサポートしていただきながらプレーできたので、僕としても良いプレーができたと思ってます。改めてテネリフェに対しても感謝の気持ちをこの場で伝えたい」