JR大宮駅から徒歩15分。大都会の雰囲気をぷんぷんと匂わせる新都心の大通りから、細い路地へと入る。所狭しと家が建ち並ぶ住宅街の一画に、その山はあった。山の名は「浅間山(せんげんやま)」。古くは千間山と書かれたそうだが、江戸時代中期から今の「浅間山」になったらしい。
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登山口(鳥居)と登山道
標高わずか15m(参考文献による。10mや17mの説もあり)の、本当に小さな山であるが、ちゃんと登山口(鳥居)があって、ちゃんと登山道(参道?石の階段が20段ほど)もある。おまけに下りの道もちゃんと用意されていて、周回コースになっているから驚きである。
登山口から10秒足らずで山頂に到着。広々とした山頂に、二つの祠が祀ってある。浅間神社と浅間稲荷神社である。周囲を見渡すと、「浅間山」と書かれた標識があった。その標識は、神社などにあるソレではなく、山の山頂に掲げられているアレである。その標識は、浅間山が立派な山であると言わんばかりに、堂々と山頂に突き刺さっていた。
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山頂で際立っていた標識
帰りはせっかくなので、用意された下山路を使用する。これまた10秒足らずで下山完了。おそらく、ダッシュで登り下りすれば30秒以内に登下山可能であろう。カップラーメンが出来上がるまでに、6回は登り下りできてしまう。これほど手軽な登山ができる山は、そうそうない。
浅間山からの帰り道、後ろを振り返ると新都心の高層ビルがデンとそびえていた。高層ビルに溶け込む最低山。一見、ミスマッチなような二つの存在は、絶妙なマッチングを見せてくれた。