【THE INSIDE番外編】将来の関取候補がひしめく個人戦が熱い…インターハイ 相撲競技 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【THE INSIDE番外編】将来の関取候補がひしめく個人戦が熱い…インターハイ 相撲競技

オピニオン コラム

埼玉栄・納谷君(左)と足立新田・二見君(右)
埼玉栄・納谷君(左)と足立新田・二見君(右) 全 25 枚 拡大写真
全国高等学校総合体育大会(インターハイ)・南東北総体2017の相撲競技は、宮城県の鳴子温泉にほど近い大崎市の鳴子スポーツセンターで開催された。将来の相撲界を担っていくであろうと思われる選手も多く出場する大会でもある。

このところの大相撲人気も相まって、注目度もより高くなっているのではないだろうか。個人戦のタイトル争いは、そのままこの世代の将来の関取候補がしのぎを削り合う戦いになっていくであろうと、興味深い試合が相次いだ。まずは個人戦の戦いを紹介していく。

個人戦は、8月4日(金)に行われた予選(1~3回戦)の結果を踏まえて、5日(土)の14時過ぎから優秀32人によって争われる決勝トーナメントに先立って、72人によるトーナメント出場決定戦が開催された。いわば、二次予選と言ってもいい戦いとなる。

稀代の名横綱・大鵬の孫にあたり、元関脇・貴闘力の息子でもある納谷幸之介君(埼玉栄)の相撲や、優勝候補の一人にも挙げられていた手計冨士紀君(埼玉栄)の相撲などが注目されていたが、手計君は花田秀虎君(和歌山商)のシャープな動きに翻弄されて、寄り倒された。花田君は、近畿大会の優勝者でもあるが、決して身体は大きくなく、表情からも闘志を前面に出すようなタイプではない。

それでも、優れた身体能力があるのか、決勝トーナメントでも、緋田俊輔君(岡山理科大附)を寄り切り、磯晃成君(樟南)も寄り切り、ベスト8に進出した。速い動きで、相手についてこさせない相撲力の高さを示していた。この日の試合では一番目立った選手でもあった。

和歌山商・花田秀虎君(左)と埼玉栄・手計冨士紀君(右)

また、納谷君は決勝トーナメント1回戦の井田翔太君(箕島)の試合で、立ち合いに「待った」があり、納谷君自身がもう一つ集中しきれなかったところもあったようだ。左からおっつけて攻めていこうとしたが、土俵際で井田君の足腰の強さも勝り、井田君が寄り倒したが、顔から落ちていくくらいに粘ったものの、結局物言いがついたが井田君の勝ちということに変わりはなかった。

納谷君としては、「こういう悔しい負け方をしないように、これからももっと練習を積んでいかなくてはいけない。将来はプロ(大相撲)に進みたい」と思いを語っていた。


【準々決勝】
津志田亜睦(平館)●突き落とし ○アマルサナー(鳥取城北)
干場伸介(金沢市立工)●寄り倒し ○石岡弥輝也(鳥取城北)
ビャンバスレン(日体大柏)○上手投げ ●花田秀虎(和歌山商)
高橋優太(新潟海洋)●寄り倒し ○齋藤大輔(埼玉栄)

【準決勝】
アマルサナー(鳥取城北)○すくい投げ ●石岡弥輝也(鳥取城北)
ビャンバスレン(日体大柏)○切り返し ●齋藤大輔(埼玉栄)

【決勝】
アマルサナー(鳥取城北)○押し出し ●ビャンバスレン(日体大柏)


決勝は、ともにモンゴルからの留学生同士の対戦となった。これは、史上初のことであるが、大相撲の世界と同様に高校相撲にも確実にモンゴル勢の勢力が迫ってきているということであろうか。もっとも、決勝を争った両選手をはじめとして、この大会で戦った留学生たちも何人かが大相撲の世界に進むであろうし、その選手たちの原点ともいえる時代を見ていくことも非常に意味があるのではないかと思っている。

決勝を争った二人は強さを発揮していた。鳥取城北のアマルサナー君は、準決勝で同じ高校の石岡弥輝也君との対戦となったが、当然、普段の練習でも何度も手合わせしている相手であろう。そんな試合だが、激しい投げの打ち合いと凌ぎ合いの末に、アマルサナー君がすくい投げで投げ勝った。石岡君は、ほとんど隙がないというくらいに、ここまで勝ち上がってきており、将来的にも確実に関取になっていくのだろうなぁと思わせる好素材の選手だった。

優勝した鳥取城北・アマルサナー君

そして決勝では、アマルサナー君が相撲の上手さも見せつけて、どちらかと言うとやや力づくで攻めてくる感じのビャンバスレン君に対して、巧みにもろ差しになると、相手の小手投げを交わしつつ、そのまま押し出した。

優勝インタビューでは、「日本へ来て3年目だけれども、厳しい練習をしてきたので、負けたくないと思っていた。同じ学校の対決もあったけれども、優勝できて目茶苦茶嬉しい」ということを日本語で話した。

将来的にはプロ入りを希望しているアマルサナー君。大相撲で人気者の石浦関の父親で、鳥取城北の監督としてこれまで照ノ富士や逸ノ城など幾多の名力士を育ててきた石浦外喜義総監督(同校長)もその取り口を評価する。

「力任せではなく、日本的な相撲が取れる選手」ということで、この優勝で将来的にはさらに大きな期待ができると言っていいであろう。

《手束仁》

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