【山口和幸の茶輪記】初優勝をねらうフルームが、ブエルタ・ア・エスパーニャ前半戦を首位で終える | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【山口和幸の茶輪記】初優勝をねらうフルームが、ブエルタ・ア・エスパーニャ前半戦を首位で終える

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第9ステージを制してガッツポーズのフルーム
第9ステージを制してガッツポーズのフルーム 全 8 枚 拡大写真
23日間という長丁場で争われるスペインのブエルタ・ア・エスパーニャ。8月19日にフランスのニームで開幕し、序盤の9ステージを終えて悲願の初優勝を目指すスカイのクリストファー・フルーム(英国)が首位に立っている。

36秒差でオリカ・スコットのエステバン・チャベス(コロンビア)、1分17秒差でバーレーン・メリダのビンチェンツォ・ニーバリ(イタリア)がこれを追う。

第72回大会はフランス中南部のニームで開幕した。初日は9人編成のチームごとに出走するチームタイムトライアルが行われ、BMCがトップタイムで優勝。同チームの中で最初にフィニッシュラインを通過したオーストラリアのローハン・デニスが総合成績で首位となり、深紅のリーダージャージを着用した。

ニームの神殿をスタートするチームタイムトライアル

デニスは2015ツール・ド・フランス初日の個人タイムトライアルで優勝し、このときもリーダージャージを獲得している。

「思い描いたとおりの走りができた。チーム全員の勝利だけど、深紅のジャージを着るのはボクだけなので身が引き締まる」とデニス。

これまでツール・ド・フランスで4度の総合優勝を遂げているフルームだが、ブエルタ・ア・エスパーニャでは総合2位3回で、まだ頂点には立っていない。しかし、「ブエルタ・ア・エスパーニャはツール・ド・フランスよりコースがアグレッシブ。大好きな大会なんだ」と悲願の総合優勝にかける思いは強い。

初日のチームタイムトライアルでスカイはBMCから9秒遅れの4位。フルームは総合18位でまずまずのスタートを切った。

数少ない平たん区間で行われた第2ステージはクイックステップフロアーズのイブ・ランパールト(ベルギー)が残り1kmから単独で抜け出して初優勝。同選手は区間1位のボーナスタイム10秒を獲得し、総合成績でも首位に立った。

続く第3ステージ。ピレネー山中のアンドラ公国にゴールするという、いきなりの山岳区間だ。フルームはこの日、頼もしいアシスト陣の援護もあって区間3位になり、大会3日目にして首位に立つことになる。区間優勝はフルームを含む少人数のゴール勝負を制したバーレーン・メリダのビンチェンツォ・ニーバリ(イタリア)だった。

第3ステージは“メッシーナのサメ”の愛称を持つニーバリが「サメのポーズ」で優勝

早くも首位に躍り出たフルームだが、その後もライバルに1秒でも差をつけるために全力で走り続けていく。

「ボクは2011年に13秒差で総合優勝を逃しているから、まだ序盤戦だけどできるだけタイムを稼ぎ出したい」とフルーム。

深紅のリーダージャージを着用するのはその2011年以来なのだが、じつはこの年はたった1日で首位を陥落している。

「こんなに早くリーダージャージを獲得できたのは驚きだけど、6年ぶりに取り戻せたのは素晴らしい気分だ」とも言う。

深紅のリーダージャージを着るフルーム。白いジャージは現在2位のエステバン・チャベス

毎年、ツール・ド・フランスに照準を合わせてスケジュールするフルーム。開催間隔が1カ月を切るブエルタ・ア・エスパーニャで再びベストコンディションに持っていくのはたやすいことではない。この大会はかつて4月に開催されていて、その当時に2選手が両大会の連覇を達成しているが、ブエルタ・ア・エスパーニャが8月開幕となってから連覇を遂げた選手はいない。

ただし、フルームの調子は例年以上にいい。

「ここまで絵に描いたようなシナリオだ。後半戦の全日程で首位を守れるかは定かではないが、走りのスタイルはこのままの感じで行きたい」と語っている。

《山口和幸》

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