【山口和幸の茶輪記】史上初のツール・ブエルタ連覇にフルームが大きく前進 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【山口和幸の茶輪記】史上初のツール・ブエルタ連覇にフルームが大きく前進

オピニオン コラム

ブエルタ・ア・エスパーニャ
ブエルタ・ア・エスパーニャ 全 10 枚 拡大写真
23日間という長丁場で争われるスペインのブエルタ・ア・エスパーニャは大会第2週を終えて、悲願の初優勝を目指すスカイのクリストファー・フルーム(英国)が首位。ツール・ド・フランスでは4勝を誇るフルームだが、このまま逃げ切れば史上初の記録を達成する。

同年にブエルタ・ア・エスパーニャとツール・ド・フランスを制した選手は、1963年のジャック・アンクティル(フランス)と1978年のベルナール・イノー(フランス)がいる。しかし当時はブエルタ・ア・エスパーニャが春に開催されていて、現在の8月開幕となってからは1人も連覇に成功していない。ツール・ド・フランスが終わって1カ月も経たないうちに開幕するブエルタ・ア・エスパーニャ。ここで再びベストコンディションに持っていくのはたやすいことではないのだ。

フルームは大会3日目に総合成績の1位に立ち、一度もその座を明け渡すことなく首位を突っ走っている。強力なチームのアシスト態勢もあって鉄壁の戦いぶりだが、1日だけ危ない場面もあった。

第11ステージは山頂の天文台にゴールする山岳区間。アスタナのミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア)が残り1kmから単独で抜け出して初優勝した。首位のフルームは14秒遅れの区間2位でゴールし、ライバルとの差をさらに開いた。バーレーン・メリダのビンチェンツォ・ニーバリ(イタリア)が区間3位に入り、ここで総合2位に浮上した。

第11ステージ、ニーバリ(右)を封じ込めてゴールするフルーム(左)

ところが第12ステージでフルームにアクシデントが起こった。

総合成績の上位を目指す有力選手の戦いは、今大会を最後に引退するトレック・セガフレードのアルベルト・コンタドール(スペイン)が果敢にアタック。メイン集団に22秒差をつけてゴールした。これに対してフルームは下り坂で2度も落車。チームメート2人にけん引されてタイムロスを最小限の20秒にとどめ、なんとか深紅のリーダージャージを守った。

「コンタドールはあきらめないことで有名だ。彼の動きに焦ったわけじゃなく、2回とも前輪がスリップした。自転車は壊れたが身体にケガはなく、大きなロスをしなくて本当に幸いだった」と安堵のフルーム。

次の勝負どころは第14ステージだった。山岳ステージを得意とするボーラ・ハンスグローエのラファウ・マイカ(ポーランド)が独走してブエルタ・ア・エスパーニャ初優勝を遂げた。マイカは総合成績の上位をねらっていたのだが、大会前半で体調を崩し、目標を区間勝利に切り替えたのである。

第14ステージは、山岳を得意とするボーラ・ハンスグローエのラファウ・マイカが優勝

総合優勝をめぐる戦いは、首位フルームを窮地に追い込むためにニーバリらが攻撃を仕掛けた。しかしスカイのアシスト陣があわてることなく追撃し、フルームはニーバリとタイム差なしでゴール。

「タイムを失う危険な1日だったが、パニックにならず、うまく対応できた」とゴール後のフルーム。

続く第15ステージ。シエラネバダ山脈に上るレースは、上りに強いロペスがコンタドールら強豪選手との競り合いを制して第11ステージに続いて優勝した。フルームを擁するスカイチームは、コンタドールらの積極的な走りに対して冷静に対応。総合成績で遅れている選手らを無理に追撃せず、ゴールまで一定のペースで走ってフルームの座を堅実に守った。ニーバリもタイム差を縮めようとアタックしたが、スカイ勢に吸収された。体力を消耗したニーバリはフルームから6秒遅れ、タイム差はさらに広がる結果になった。

大会は9月10日、スペインの首都マドリードにゴールする。

《山口和幸》

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