【山口和幸の茶輪記】フルームがブエルタ・ア・エスパーニャ初優勝…ツール~ブエルタ連覇は史上初 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【山口和幸の茶輪記】フルームがブエルタ・ア・エスパーニャ初優勝…ツール~ブエルタ連覇は史上初

オピニオン コラム

マドリードの表彰式でチームメートと喜びを分かち合うフルーム
マドリードの表彰式でチームメートと喜びを分かち合うフルーム 全 10 枚 拡大写真
スカイのクリストファー・フルーム(英国)が第72回ブエルタ・ア・エスパーニャで初の総合優勝を達成した。

ブエルタ・ア・エスパーニャが春に開催されていた時代に、その後開催されたツール・ド・フランスと連覇した選手は2人いるが、ブエルタ・ア・エスパーニャが8月中旬の開幕となってからは史上初の2大会連覇となる。

ツール・ド・フランスで4度の総合優勝を挙げているフルームだが、ブエルタ・ア・エスパーニャでは2位が3回と栄冠にあと一歩届かなかった。しかし2017年は鉄壁のアシスト態勢とともに好調を維持して乗り込んできた。第3ステージで僅差ながら首位に立つと、次第に総合2位との差を広げていく。

2度目の休息日が終わって大会が残り6区間となった時点で、フルームはバーレーン・メリダのビンチェンツォ・ニーバリ(イタリア)に1分01秒差をつけていた。フルームが強さを発揮したのはこのあとからだ。

個人タイムトライアルで優勝したフルーム

第16ステージは今大会唯一の個人タイムトライアルだった。この種目を得意とするフルームはトップタイムで優勝。第9ステージに続く2勝目、大会通算5勝目を挙げた。総合成績では2位ニーバリとの差を1分58秒へと広げ、初の総合優勝に大きく前進した。

「後続のチームカーからタイム情報を聞くことなく自分の感触で走ったから、勝てると確信できたのはコース終盤だった」とフルームはゴール後に語っている。

この大会で引退するトレック・セガフレードのアルベルト・コンタドール(スペイン)は区間5位のタイムで好走し、総合成績を9位から一気に5位に押し上げた。「残り5日、もっとタイムを稼ぎ出して総合3位までの表彰台をねらっていきたい」とコンタドール。

過酷な山岳コースで行われた第17ステージは、フルームが最大25%という勾配が待ち構えた最後の峠で脱落。ニーバリから42秒遅れでゴールしたが、前日までの貯金で首位を守った。

そして第18ステージでフルームは再び強さを発揮。ニーバリに21秒差をつけてゴールするのである。前日は最後の激坂でわずかに遅れたが、この日は深紅のリーダージャージを守るとともに総合成績でニーバリとの差を1分37秒まで広げた。

「難関ステージはあと2つだ。なんとか最終日まで首位を守りたい」と初優勝に前進したフルーム。

そして最終日前日は激坂アングリル峠にゴールする最難関だった。過去3度の総合優勝経験を持ち、この大会を最後に引退するコンタドールがアングリル峠で独走。3年ぶり6度目の区間優勝を遂げた。コンタドールは見事に有終の美を飾ったのである。

「朝起きたときに、きょうはボクが勝つことでみんなに別れを告げなきゃいけないと自覚していた。ボク自身のキャリアに終止符を打つのに、このアングリル峠で勝つ以外の最良の方法はなかった」と、感無量の表情のコンタドール。最終的には総合5位だったが、だれもがコンタドールの健闘に惜しみない拍手を送った。

15年の選手生活に終止符を打ったコンタドール

フルームは最後の難関をアシスト陣の援護を受けて区間3位でゴール。この瞬間に総合優勝を確実なものにする。

「6年前に13秒差の2位になって以来、この大会に勝つことを目指してきた。チームメートの援護があってこの悲願を達成できたと感じている」と23日間の全日程を終えて首都マドリードにゴールしたフルーム。

フルームはツール・ド・フランスの4勝に加えてブエルタ・ア・エスパーニャの1勝で、グランツール通算勝利は5に。ベルギーのエディ・メルクスの11勝、フランスのベルナール・イノーの10勝、フランスのジャック・アンクティルの8勝、そしてコンタドール、ファウスト・コッピ(イタリア)、ミゲール・インデュライン(スペイン)の7勝に続く歴代7位タイ記録となった。

2018年はツール・ド・フランス最多の5勝に挑むフルーム。11月上旬にはツール・ド・フランスさいたまに出場するために来日する。

《山口和幸》

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