特に観光地の多い北インドはその名を飾るのに相応しくハプニングの絶えない場所。首都デリー、タージ・マハルのあるアーグラ、ガンジス川のバラナシ...。
大学2年生の春休み、僕は友達と計3人で北インドを1ヵ月程巡っていました。バックパッカー的な旅行は実質初めてだったので、ハプニングの連続。ぼったくられることの連続で、お金もかなり使いました。
例えて言うならばニビシティのタケシを倒すレベルにも到達していない段階で、いきなり四天王に挑むようなもの。案の定ボコボコにされました。
とはいえ、このインドでボコボコにされた経験があったから、ある程度他の場所でもバックパッカーができる自信がついたと言えるかもしれません。
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インドは毎年のように蚊が大量発生しているなどのニュースが流れるような気がしますが、僕らが訪れた時期も蚊が溢れていました。
デング熱などへの不安も高まり、必要以上に僕らは蚊を恐れていたように感じます。そんな初日。
旅行情報を得るため駆け込んだ旅行代理店の優しそうなおじさんが、「蚊除けに効くオイルを塗り込んでくれるマッサージ屋さんがあるから、君たちも塗ってもらった方がいい」とオススメしてくれました。
素人バックパッカーらしく、そして「まぁ何事も経験だ」マインド全開だった僕らは、二つ返事で怪しさ全開のマッサージ屋さんへ。
コミッションが入ることは丸見えですが、まぁ世の中そんなもの。見えやすいか見えにくいか。インドはそれが見えやす過ぎるだけなんですよね。本当にその場でお金渡したりするので。もう少し分かりにくい形でやればいいのに、とか思ったり…。
怪しげなマッサージ屋さんでマッサージの説明をしてくれたのは綺麗めなマダム。料金は2000円程度から5000円まで。一番安いコースを選択しました。
説明を聞くと、どうやら全裸で受けるマッサージとのこと。部屋に案内されました。唾をゆっくり飲み込みながら、パンツまで脱いでマッサージ師を待ちます。
受付が綺麗めなマダムだったので、マッサージ師も女性かもしれない、とちょっとだけ期待していました。
まぁ、期待するだけアホらしかった。マッサージ部屋に入ってきたのはガチムチのゴリッゴリのマッチョマン。鼻息荒いし。
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すんごい勢いで謎のオイルを全身に塗り込んでくれました。いや、すんごい。すんごい。すんごい痛い。いや、痛いって。耳元で定期的に囁いてくる「Good?」がつらい。痛いんだけど、ついに最後まで言えなかった...。
ちなみに、インドと言えば「アーユルヴェーダ」なる、生命が本来持つ力を高め、毒素や病気を排除するという古代インドの代替医療も有名です。どうやらこのマッサージも裸で行われることが多いようなのですが、僕らが受けたものとは異なるようでした。
効果は「2週間」のはずのオイルマッサージでしたが、マッサージ直後からインド滞在中、ほんと面白いくらいに蚊に刺されました。