混戦の中、3位でゴールラインに飛び込んだのは藤光謙司選手だった。怪我で不調だったケンブリッジ飛鳥選手に代わり急遽決勝のアンカーを任され、大役を果たした。
10月末に行われたメディア向けのNIKE FAST CAMPに、設楽啓太選手とともにゲストアスリートとして参加したトレーニング後のトークセッションで、自身のトレーニング方法について明かした。

銅メダルとともに
練習量が少なく、あまり距離を走らないタイプだという藤光選手は、
「普段の練習時間は1~2時間ほど。距離的にもほとんど走りません。200m以内を2~3本くらい」と話す。トップアスリートというと、徹底的に走り込んでいるもイメージがあるが、効率重視でトレーニングを行なっているようだ。
「集中力を保てるのは90分くらいだと思っています。なので、いかに内容を濃くするかが大事。僕の中では集中できるのが3本までです」

ウォーミングアップを入れて1時間以内に練習が終わることも多い。その中で自分のやりたいことをこなしている藤光選手。いかに効率良くトレーニングをするかがテーマだと語った。
「憧れている選手を見て『こんな風に動きたい』と思うかもしれないが、人それぞれの身体がある。自分の身体を上手く使うことができた人がパフォーマンスを発揮できると思います」
「一つ一つに目的意識を持つことが大切。その日目標としていることが達成できれば、きつい練習でもすがすがしい気持ちになれます」
自分自身の身体を見つめた上で理解し、トレーニングを積む藤光選手。考え抜いて効率化されたトレーニングが、彼のパフォーマンスを支えている。