池田純氏は2011年から約5年間横浜DeNAベイスターズの球団社長を務め、ボールパーク化(横浜の人々が、野球をきっかけに会話をはぐくみ、出会いや新たな交流が生まれ、地域の大小様々なコミュニティの絆が育まれるような場を作ろうという思想)など様々な改革を主導し、観客動員数は5年間で180%へ増加。球団自体の売り上げも倍増させ黒字化を成功させた再建・再生のスペシャリスト。
サンウルブズはラグビーの最高峰の国際大会「スーパーラグビー」に2016年から参加している日本チームで、日本代表の山田章仁選手らが所属している。
会見の中で、サンウルブズのこれからについての組織スローガン「5 BEYOND 2019」を発表。このスローガンはラグビーW杯2019日本大会のさらに先を見据えた組織づくりを実現することをテーマとしている。池田氏はラグビーの現状と改善点を分析した。
「2015年W杯の南アフリカ戦での勝利によって、一瞬のブームになったものの、今ではブームは消え去り、2015年の前と後で、ラグビーの景色を変えることができませんでした。W杯の勝ち負けも非常に大事なことですが、勝ち負けは一過性のものなので、ラグビーを取り巻く環境や構造が2015年と大きく変わらない現状では2015年と同じことが起こってしまうリスクがあります。抜本的な構造改革なくしては、2019年のW杯開催前後のラグビーの景色を変えることは難しいと思います」
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その中で池田氏は、「秩父宮ラグビー場」に着目。
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「ベイスターズのボールパーク化のように、秩父宮ラグビー場をラグビーの聖地としてラグビーパーク化するべきだと思うんです。青山という一等地にあるという利点を生かしていけば集客力も期待できます。ラグビーという競技だけではなく、ラグビー場にいるだけで楽めるようにエンターテイメント性をもっと高めることで、ラグビーが好きな人はもちろん、ライト層まで取り込んでいきたいですね。理想としては、ラグビーをつまみに酒が飲める大きいパブのようなものを目指しています」とラグビーパーク化構想を明かした。
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サンウルブズについては、「毎年行われる世界最高峰のラグビーリーグには1つの日本チーム・サンウルブズがいます。これは実にすごいと思います。野球で言えばMLB、サッカーでいうとCLに日本のチームが出ているようなものです。サンウルブズはまだまだ弱いですが、世界レベルのプレーが確実に毎年日本で見られることは、これからの5年間で日本ラグビーのBeyond2019の大きなカギになると思います」と語った。
ベイスターズが今シーズン日本シリーズに出場したように、サンウルブズも数年後にスーパーラグビーで優勝争いに食い込んでいけるようなチームになるのか、池田氏の手腕に期待がかかる。
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