その一環として、日本フェンシング協会会長の太田雄貴さんと、2016年リオパラリンピックにて、車いすフェンシング女子個人フルーレで金メダルを獲得したベアトリーチェ・マリア・ヴィオ選手（愛称は「ベベ」）が車椅子フェンシングの試合を行った。
車いすフェンシングには3つの種目があるが、当日はそのうちの一つ、フルーレで試合が行われた。接戦の末、ベアトリーチェ選手が15対14で太田さんに勝利した。
この試合はNTTドコモの5G（第5世代移動通信システム）を利用した方法で観戦された。フェンシングの試合を撮影すべく設置された9つのカメラの映像を別会場である東京ソラマチに伝送。特設のタッチパネルを操作することで、各カメラの映像をリアルタイムにスイッチングして観戦することを可能にしたものだ。
2017年3月26日に公開されたドコモのCM「Style '20（東京2020オリンピック）」にもベアトリーチェ選手は登場しており、「後ろに下がることができないから攻撃するしかない。試合の合図をかけられたら覚悟を決めて前に飛び出して勝負を決するしかないのよ」と車椅子フェンシングの醍醐味について明かしている。
また、この日も車いすフェンシングで勝つための秘訣について求められると、「車いすは後ろに下がれない分、前に出るか止まるか、一瞬の判断が求められる。一瞬で勝負が決まる。相手の嫌なところを探して攻めることができるかが、勝利に直結する」と語っていた。
試合前、「流れをつかまれたらどう変えていくか。負けられない」と意気込んだ太田さんに対して、ベアトリーチェ選手は「緊張しているがいい試合をして勝ちたい。そうじゃないと太田選手に殺されちゃう」とお茶目ながらも真剣さを伺わせるコメントをし、会場を沸かせていた。
試合に敗れたあと太田さんは、「いけると思ったんすけど、速いっすね。圧倒された、完敗ですよ。無駄な要素がないし、最短距離で向かってくる。僕の今日の技は無駄が多すぎましたね。普段地面の力をもらいながらフェンシングをしているのですが、車いすフェンシングはそれができず、上半身の力だけでやる。難しいですね」と振り返った。
ベアトリーチェ選手は最後に、東京パラリンピックについて、「連覇するべく個人で金メダルをとりたい。でも、それ以上に団体戦で金メダルを狙いたい」と意気込みを述べた。
ベアトリーチェ・マリア・ヴィオ選手 参考画像
太田雄貴さん 参考画像
