アスリートのトレーナーって何をしているの?バドミントン・大堀彩のトレーナーに直撃インタビュー | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

アスリートのトレーナーって何をしているの?バドミントン・大堀彩のトレーナーに直撃インタビュー

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アスリートのトレーナーって何をしているの?バドミントン・大堀彩のトレーナーに直撃インタビュー
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体を資本に生計を立てるアスリート。体には大きな負担がかかっており、もちろんケガはアスリートにとって死活問題である。アスリートがケガのリスクを最大限回避するために重要となってくるのが、トレーナーの存在だ。

そんな重要な役割を持つトレーナーだが、実際にどのようにしてアスリートと関わっているのか、実は知らない人も多いのではないだろうか。

「トレーナーの方は一体どのような仕事をしているのだろうか」「アスリートは日々どのようなトレーニング、コンディショニングをしているのだろうか」「そのメニューはどのようにして決めているのだろうか」

そんな疑問を解消すべく、この度CYCLE編集部は「ウイダートレーニングラボ」の永代優仁さんにお話を伺った。

「ウイダートレーニングラボ」は森永製菓が運営するトップアスリート専用の施設。専任のトレーナー、栄養士、スタッフがトップアスリートのパフォーマンスをサポートしている。定期的にラボでサポートを行うほか、合宿や試合に帯同するケースもあり、監督・コーチ陣と連携し、より効率的な目標達成を行う。

お話を伺った永代さんは柴田嶺選手(フィギュアスケート)、大堀彩選手(バドミントン)のサポートを行っている。

永代さんが実際どのようなサポートを行っているのか、今後目指していることなど、様々なお話を伺った。

苦労を乗り越えて得られる大きな喜び


永代さんは、前職では地元のフィットネスクラブでトレーナーをしていた。ウイダートレーニングラボに就職後、大きな違いがあることに驚いたという。

「選手の生活や夢もかかっているから真剣度が段違いで、当たり前ですが一般の方とは熱量も違います。アスリートの方は生活がかかっていて、ここで勝たないと競技人生も終わってしまうかもしれないという熱い気持ちを持っている。そんな人達と向き合うことができて、良い経験をさせてもらっていると感じます」

ウイダートレーニングラボに来てから8年が経ち、様々なアスリートのサポートを行ってきた。

具体的な仕事内容は、競技力向上のためのトレーニングメニューの考案・提供や、コンディション管理など。そのメニューは「生理学」「バイオメカニクス」「解剖学」という3つの学術的観点から、アスリートと密に会話をしながら作成している。また、普段はラボ内でサポートを行っているが、アスリート側からの要請があれば試合や合宿への帯同も行う。

「常に勉強しながら選手の要望に対応できるように、足りない知識はすぐに補っています。業務時間の区切りはないですね」



さらに、現在担当している選手の競技はみんなバラバラ。競技特性も全く異なるうえ、永代さん自身はサッカー部出身。経験がないスポーツであるがゆえに、選手と接する時間よりも勉強に費やす時間の方が圧倒的に長い。

「ラボにはお医者さんみたいに本がズラーとあって、わからないことがあればすぐに調べています」

また、トレーナーとしてのやりがいを感じるときは、サポートしている選手が勝ったとき、一緒に喜べることだという。

「ウイダートレーニングラボで修徳高校野球部をサポートしていたとき、9年ぶりに甲子園出場が決まった瞬間が一番嬉しかったですね」

これだけ時間をかけるからこそ、得られる喜びは計り知れないだろう。

ウイダートレーニングラボの特徴とは


ウイダートレーニングラボの最大の特徴は「運営元が森永製菓であること」だろう。あまりスポーツのイメージが湧かないかもしれないが、森永製菓は食品事業に加えてスポーツの支援にも力を入れている。

「トレーナーがアスリートのサポートに専念できる点が強みですね」

普通、トレーナー契約となると選手とトレーナーの間に利害関係が生じ、どうしても利益を考えながらサポートをしていくことが必要になってしまう。しかし、スポーツ支援に力をいれる森永製菓という大企業が間に入ることで、トレーナーは選手のサポートに専念する環境が整えられている。

「自社製品の信頼のおけるプロテインやサプリメントが利用できるのもありがたいですね」

森永製菓がアメリカのウイダー社と1983年から提携を結んでいることもアスリートにとっては心強い。

トレーナーとして、個人として目指すもの


ウイダートレーニングラボは、現在多くのトップアスリートのサポートを行っており、日本有数の施設と言える。

「ここまで大きな施設へと成長できたのは、トレーナーとして成果を残してくれた先輩方のおかげです」

その成果が信用となり、新たなアスリートがサポートを受けにやってきている。

「トレーナーとして、サポートしている選手に結果を残してもらうこと、それができないと僕がここにいる価値はないなと思っています」



日々勉強を重ねるなかで、永代さんが身体のなかでもっとも重要だと考えているものは「血流」であり、それは今後の研究テーマでもある。

練習や試合で身体を酷使した後、使い過ぎた筋肉は疲労により硬くなる。そして、この硬くなった筋肉を柔らかくするために、血流をスムーズに循環させることが必ず必要になる。それはアスリートのみならず一般人の身体でも同じで、不調や不定愁訴などの多くは血行不良により悪い連鎖を引き起こしている。

また、アスリートの身体と向き合い続けてわかったことを、ゆくゆくは一般人のQOL(Quality of life)の向上のために役立てていきたいと語る。

「アスリートといえど一般人と体のつくりは変わらないので、知識と経験を一般の方にも普及させていきたいなと考えています」

ウイダートレーニングラボで8年目を迎え、トレーナーとしての引き出しは格段に増えている。これからもトップアスリートと共に分かち合える喜びを胸に、サポートを続けていく。

■永代優仁
・日本文理大学経営経済学部経営経済学科卒

-保有資格
NSCA-CSCS レベル1認定

-チームサポート
高校野球 2012~2014
高校サッカー 2012~2014
大学アメリカンフットボール 2010~2013

-パーソナルサポート
BMX選手 2011~2014
Fリーグ選手 2012~2015
Jリーガー 2012~2015
フェンシング女子フルーレ 2012~2016
陸上短距離男子100m 2012~2017
フィギュアスケートペア 2016~
プロ野球選手 2016~
バドミントン女子シングルス 2017~

《北川雄太》

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