ラグビー日本代表・堀江翔太、シックス・ネーションズの見どころを語る | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

ラグビー日本代表・堀江翔太、シックス・ネーションズの見どころを語る

スポーツ まとめ
堀江翔太選手(パナソニック ワイルドナイツ)
堀江翔太選手(パナソニック ワイルドナイツ) 全 12 枚 拡大写真
日本ラグビー界で最も多くの国と対戦経験を積んでいる選手の一人が堀江翔太(パナソニック ワイルドナイツ)だ。

欧州6カ国対抗戦「シックス・ネーションズ」(アイルランド、スコットランド、ウェールズ、フランス、イタリア、イングランド)のうち、イングランドを除くすべての国と複数回の対戦を経験。

シックス・ネーションズの6カ国以外でも、ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ、アルゼンチンの南半球4強をはじめ、ワールドカップを戦う世界ラグビーのほぼすべての国と対戦経験を積んでいる。堀江翔太が見るシックス・ネーションズの各チームの特徴、大会の見どころ、そして注目選手について語った。

■シックス・ネーションズについて

2017年覇者はイングランド (c)Getty Images

伝統を感じる大会ですよね。何しろ130年も続いている大会ですから、すごいプレッシャーの中で戦っているんだろうなと感じます。ウェールズのカーディフなんて、7万人以上の観客が入るし、どこのスタジアムでも5万人くらいの観客は入って、どのカードもすごい盛り上がりの中で試合をする。お互いに、絶対に負けられないという雰囲気がありますよね。

ラグビー自体は、南半球と比べるとシンプルなイメージです。ラグビーの中のフィジカルの部分を重視していますよね。日本と対戦するときは特にそこを攻めてきます。

■イングランドについて

アイルランドvsイングランド (c)Getty Images

エディーさん(※1)がHC(ヘッドコーチ)になってから、いろんなことが整理されたような印象があります。もともと、北半球では一番選手層が厚くて、一番伝統もあるけど、試合ではいまいちやることにまとまりがありませんでした。それが、エディーさんがHCになったことで、戦い方が整理されたように思います。僕らの時とはまた違った戦略、戦術を立てているんだろうなとは想像します。イングランドは一人一人の能力が高いし、今はベーシックなところをじっくりと高めて、どこかの段階で戦術、戦略を選手に授けるんじゃないかな。エディーさんのことだから、きっと、何かを隠し持っていると思いますね。

(※1)オーストラリア出身の元ラグビー選手。東海大学ラグビー部監督、日本代表ヘッドコーチの経験もある。

■アイルランドについて

アイルランドvsフランス (c)Getty Images

シックス・ネーションズで一番注目しているチームです。6月に対戦したときは、僕たち日本選手の名前もクセも全部覚えてきて、準備がすごく徹底されていました。あれで、ブリティッシュ・アンド・アイリッシュ・ライオンズ(※2)の選手で10人以上抜けていたわけですから、その選手たちが戻ってきたら、もっと良いチームになるでしょうね。やること自体はシンプルだけど、ボールを動かす技術は高いし、ゲームプラン、戦術、戦略の引き出しも多い。フッカーもいい選手ですよね。フィジカルだけじゃなく走れて、器用で、パスもできます。僕が目指すラグビープレーヤー像に近いし、負けたくないですね。

(※2) ホームユニオン(イングランド・スコットランド・ウェールズ・アイルランド)の代表チームから選出された特別チーム

■スコットランドについて

スコットランドvsイタリア (c)Getty Images

強いです。僕らが負けたオーストラリアに、けっこうな大差(53-24)で勝っていますよね。戦い方はシンプルですよ。強いFWを前に出して、そこから外へ展開する。

個人的にはFB(フルバック)のショーン・マイトランドに注目しています。彼はもともとニュージーランド生まれで、僕が帝京大を卒業してカンタベリーのアカデミーに行っていたとき(2008年)にフラットメイトでした。当時からいい選手でしたね。それから10年以上経った2019年のワールドカップに日本で彼と対戦できたら、面白いですね。

■ウェールズについて

開閉式屋根を持つプリンシパリティ・スタジアム (c)Getty Images

僕らにとっては、2013年に秩父宮で対戦して、初めて上位の国を相手に勝つことができたという意味でも思い出深い相手です。

印象的なのは、2016年に遠征したときですね。プリンシパリティ・スタジアムですか、7万人以上のお客さんの中で試合をしたのは後にも先にもあれだけですが、お客さんも紳士的というか、ブーイングもなく、日本のいいプレーには拍手してくれて、応援してくれたという印象があります。ラグビーを愛していることはすごく伝わってきました。一番歴史を感じさせるのがウェールズだと思います。

■フランスについて

フランスvsウェールズ (c)Getty Images

2011年のワールドカップ初戦で対戦したのが印象深いです。僕にとっては初めてのワールドカップでした。

試合自体はシンプルに、フィジカルに攻めてくる印象です。この前(2017年11月)の遠征でも、これが「ザ・フランス」だ、というような戦い方で、ラインアウトからモールを押してきました。僕らもそれを予想していたから、僕らのディフェンスもうまいことはまった気がします。

でもフランスはもともと引き出しが多いし、キックも上手な選手が多いです。次に戦うときがあったら、やり方を変えてくると思います。どう変えてくるか、楽しみですね。

個人的には、この前トイメンになったフッカー(HO)のギエム・ギラドに注目しています。キャプテンだったし、フランスリーグTOP14のRCトゥーロンでプレーしているんですよね。スキルがあってランも良くて、どちらもできます。僕の目指しているスタイルにも近いし、年齢も同じ31歳。ちょっと親近感を覚えます。

■イタリアについて

イタリアvsウェールズ (c)Getty Images

2011年ワールドカップ前のウォームアップゲームと、2014年の秩父宮の試合で対戦しました。シックス・ネーションズの中ではなかなか上位には入れないけれど、スクラムの強さはトップクラスだと思います。

■シックス・ネーションズの優勝、そして注目は――

うーん、アイルランドかイングランドか、どっちかじゃないでしょうかね。どちらもいいラグビーをするし、どちらもここで勝っておきたいだろうし。僕の予想はこの2つのどちらかです。

注目は、僕らにとってはやはり、2019年のワールドカップで実際に対戦するアイルランドとスコットランドがどんな戦いをみせるかですね。どうゲームを組み立ててくるのか。今年のテストマッチの成績を見ると、北半球勢はみんな調子が上がっている感じがしますよね。

南半球では、ボールを動かしてスペースを攻めてくるスタイルが主流だけど、北半球、特にヨーロッパはどんどんぶつかって、フィジカルなやりあいから優位性を作っていくのが主流ですから、一般の方がテレビで観戦しても分かりやすい、面白いラグビーだと思いますね。

僕らよりも二回りくらい大きい選手たちが、思い切りぶつかり合うんですから、これを見るだけでも面白いです(笑)。その上にそれぞれの戦術があって、スキルがあって、スピードがあって…という要素を楽しめますからね。

もうひとつ楽しめるのは、シックス・ネーションズを戦っている選手たちの多くが、2019年のワールドカップで日本に来る選手だということですね。僕らは予選プールで対戦するアイルランドやスコットランドにどうしても目が行きますが、他のプールに入った国の選手たちも、日本のワールドカップを目指しています。2019年に向けて注目するチーム、気になる選手を見つけるのも、シックス・ネーションズの楽しみ方だと思います!

ラグビー欧州6カ国対抗戦「シックス・ネーションズ」は2月3日(土)からWOWOWにて放送。試合に先立ち、「シックス・ネーションズ」のみどころを紹介する観戦ガイド番組を1月20日(土)9時25分からWOWOWプライムにて放送する。イングランド代表ヘッドコーチのエディー・ジョーンズの独占インタビューや、堀江翔太選手、田村優選手による見どころ解説などをお届けする。

■公式サイト
http://www.wowow.co.jp/sports/rugby/

■公式Twitter
https://twitter.com/wowow_rugby

《編集部》

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