Jリーグは、5年後「映像の分野」で世界一に?…サッカー観戦の未来の姿 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

Jリーグは、5年後「映像の分野」で世界一に?…サッカー観戦の未来の姿

3月8日、WEB番組『サッカーキング ハーフ・タイム』が「スポーツビジネスとしてのDAZN ~サッカー観戦の未来の姿とは~ presented by DAZN for docomo」というテーマで放送を行った。

スポーツ まとめ
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3月8日、WEB番組『サッカーキング ハーフ・タイム』が「スポーツビジネスとしてのDAZN ~サッカー観戦の未来の姿とは~ presented by DAZN for docomo」というテーマで放送を行った。

当日はゲストとしてスポーツライターの上野直彦氏、明治大学法学部准教授の釜崎太氏、ITジャーナリストの林信行氏が出演。サッカーのみならず、スポーツ観戦の将来的な姿などを語り合った。

番組で着目されたのは、スポーツ専門のインターネット動画配信サービス「DAZN(ダゾーン)」だ。10年分で約2100億円という破格の契約額でJリーグの放映権を獲得したことで、一気に日本でも知名度が向上した。

◆ダゾーンがJリーグに与える影響



新CMで鹿島アントラーズDFの内田篤人選手が「ドイツでも『ダゾーン』だった!」と発言するが、ドイツスポーツを研究する釜崎氏も、「ドイツは日本より競争が激しいものの、ダゾーンが2018/19シーズンのCL(チャンピオンズリーグ)の放映権を獲得したことによって、それまで協力だった衛星放送Sky Sports(スカイスポーツ)の地位を脅かそうとしている」と発言。日本のみならず、ドイツでもダゾーンが躍進していることについて明らかにした。

「DAZN(ダゾーン)」のアンバサダー就任会見が2月15日、都内で開催された。
「DAZN(ダゾーン)」のアンバサダーでもある、内田篤人選手


ダゾーンの登場によって、Jリーグを取り巻く環境は劇的に変化。J1、J2、J3の全試合が、端末さえあればどの時間でも気軽に観戦できるようになった。今まで存在しなかったサービスであり、色々な意味で市場が広がっていく可能性について番組では示唆された。

◆5年後、Jリーグは映像の分野で世界一に?



ダゾーンの画質についても触れられ、ITジャーナリストの林氏は、「普段見ていても全く(画質は)問題ない。今シーズンからカメラの台数が増えたこともあります(通常はカメラ9台で試合中継を行うところを、カメラ16台に増やすなどの取り組みをしている)」と述べた。

釜崎氏は続けて、「Jリーグ関係者の方と話した時に、『5年後、リーグ(の規模や選手の技術など)として世界一になるのは無理ですが、映像の分野で世界一になるのは可能なのではないか』と言っていました」とコメント。

「試合会場では手元で独自のハイライト映像が見れるなど、来てもらった人向けの映像配信をする。そしてその映像を観た人はスタジアム周辺にあるお店で割引を受けられたり。企業はICT利用で顧客情報をゲットする。こういった流れが主流になってくると思います」と続けた。

スポーツライターの上野氏が映像技術の例として引き合いに出したのは、アメリカ合衆国のカリフォルニア州サンタクララにある多目的スタジアム、リーバイス・スタジアム。

ーバイス・スタジアム 参考画像
リーバイス・スタジアム


「(リーバイス・スタジアムでは)端末さえあれば注文したメニューをその場に持って来てもらえたりとかする。また、NFLの試合では、リプレイでアニメーションが合体したりするんです。空気が割れたりする演出がついていたりとか。子どももより楽しめると思います。日本はアニメーション分野が得意ですし、こういうところでも勝負できれば」(上野氏)

NFL 参考画像

「平昌五輪のアイスホッケー。あの競技は、今回色々な角度から撮っていました。今は一方的にその情報を受け取るだけになっていますが、今後、専用のアプリで、それぞれのカメラを選択して自分で好きな方向から見れるようになるのではないかと思います。自分で映像をコントロールできる。主役がユーザーになるのです」(上野氏)

アイスホッケー 参考画像

このコメントに司会の笹木香利さんが「私も野球を見ている時、『このバッターの時、この内野手はどこにいるのか』とか気になったりするので、色々な方向から試合を観戦できるのはすごくいいです」と述べると、釜崎氏も「サッカー見ていると、オフ・ザ・ボールの動きが気になったりしますものね。普通に見ていると、片方のチームが攻撃している時最終ラインがどうなっているかわからなかったりしますし」と続けた。

◆Jリーグ観戦層の平均年齢が上げ止まり



スマホなどのデバイスでJリーグ観戦などができるようになり、Jリーグ観戦層の平均年齢が上げ止まったことに釜崎氏は着目している。(1月29日に発表された2017シーズンのスタジアム観戦者調査で、J1は2016シーズンより0.7歳若い40.1歳と、調査を始めた2004シーズン以降で初めて、前年比でマイナスとなった)

「今までJリーグを見ていた中心層は、(Jリーグが)開幕した時に大学生だった我々の世代です。この世代がずっと見続けていた。ですから、年々観戦する人々の年齢が上がっていたのです。これがJリーグの課題でした。しかし、そこに、去年初めてストップがかかった。ダゾーンの取り組みは、若い世代を獲得する上では大きな役割を果たしていると思います」(釜崎氏)

続けて提案された「さらにここから(スポーツの)裾野を広げるには」というテーマに、釜崎氏は「競技人口を増やすのは非常に難しい。野球(人口)は落ちて来ているし、サッカー(人口)も横ばいになり問題になっている。これは、いろいろなニーズが混ざっていて、それをうまく整理できていないというのもあると思います。例えば、一つのサッカークラブを見たとしても多様なニーズがある。『サッカーの技術を上達させたい』というニーズがあれば、単純に『楽しくボールを蹴りたい』というニーズがある。(動画配信分野では)チャンネルの多様化を実現して配信をうまい具合にすれば様々なニーズを満たせる。例えばドルトムントの試合を放送する番組がある上で、チームの運営方法だったり、少年サッカーの指導方法だったりを取り上げる番組を放送したり」と、様々な側面から番組を配信することの有用性を訴えた。

上野氏は、「ダゾーンではJリーグも、バスケも野球も全部見れる。スポーツの枠を超えて観戦できるので、『野球ファン』とか、『サッカーファン』である以前に『スポーツファン』である人たちが、他のスポーツのファンになるような横展開のきっかけになれば」と、述べた。

今後のスポーツ観戦産業に期待すること



スポーツ産業は、2012年の段階で5.5兆とされたスポーツ産業の国内市場規模を2020年まで10兆円、2025年までに15兆円の市場に拡大する目標をまとめている。釜崎氏によると、そうした状況の中で、大学スポーツに大きな注目が集まっているという。

「サッカー部、野球部もそうですが、例えば明治大学など歴史のある運動部を所持する大学は、そうした部活のOBが全国に沢山いるんです。そうすると、明治大学のサッカー部の練習を配信するだけで、巨大な顧客がつきます。今の監督が考えていることを放送するだけでも価値がある。このように、多様な番組が増え、それぞれがビジネスとして成功していく」(釜崎氏)

番組終盤、「今後スポーツ中継する上で期待したいこと」について3人は以下のように語った。

「ハンドボールなど、メジャーじゃないスポーツをどんどん取り上げていってほしい。あとは、パラ競技。初めてパラリンピックが開かれのは1964年の東京大会です。(1960年ローマ大会を第一回大会とする説もある)ですからミッション性も高いです。カーリングも(平昌大会でムーブメントが起きたが、4年に一度だけではなく)普段の試合も見たい。北海道北見市と長野県軽井沢町の試合とか」(上野氏)

「例えばブンデスリーガには、視覚障害者のための放送があります。日本でもVRなどの技術を使って、視覚や聴覚に障害がある人でも楽しめる、臨場感あふれる試合観戦を実現してほしいと思います」(釜崎氏)

「今は通信速度の基準は4Gですが、5Gが出るとVR観戦も現実的になります。選手を3Dスキャンして、選手の視点からもスタジアムが見れるようになったりする可能性があります」(林氏)

《大日方航》

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