元ブラジルサッカー代表、フランサが日本サッカーに対して思うこと | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

元ブラジルサッカー代表、フランサが日本サッカーに対して思うこと

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元ブラジルサッカー代表、フランサが日本サッカーに対して思うこと
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明治大学法学部の釜崎太ゼミナールは4月29日、明治大学和泉キャンパスのグラウンドにて、大学近隣地域の小学生や明大生によるサッカー大会「第一回 明大和泉カップ」を開催した。

同大会にはゲストとして、サッカー元ブラジル代表選手として活躍したフランサ(フランソアウド・セナ・デ・ソウザ)氏が登場。

フランサ氏はJ1リーグ、柏レイソルでもプレー経験があり、「フィールドの魔法使い」の二つ名がつくほどの創造的なプレーでファンを魅了した。



現役を引退して7年ほどになるフランサ氏だが、この日は小学生やその保護者、明大生たちとボールを蹴りあった。試合中、「調子はどうですか?」と尋ねてみたが、「もうボールはしばらく蹴っていないので、動けないよ」と微笑んでいた。

しかし、本人曰く「動けない」とはいえ、時折見せるスペースへの鋭く、そして受け手にとっては優しいパスは、現役の彼のプレーを知る保護者たちをもざわめかせた。未だ衰えることのない魔力を持つステッキを小さなグラウンドで振り回すフランサ氏に、小学生たちは夢中だった。



限られた時間の合間を縫って、フランサ氏は私のインタビューにも対応してくれた。(聞き手・撮影は編集部、大日方航)



---:今回、この地域交流イベントにはボランティアで参加されたと聞きました。参加を決めた理由を教えてください。

フランサ氏:子どもたちを見ていると、自分のモチベーションも上がるんです。また、子どもたちの夢に対するモチベーションを高めるような手助けに少しでもなれたらいいと思ってイベントに参加しました。

ブラジルは、日本と違いどこでも少年たちが路上でサッカーをしています。そして、そのほとんどがサッカー選手を目指しています。そういう意味では、日本のサッカーも進化していますが、ブラジルほどはまだ普及していないとも言えるでしょう。こういった状況を見て(日本サッカー界の)力になりたいとも思いました。

---:日本と、ブラジルなどの強豪国との違いはどういった部分なのでしょうか。ご自身の経験からも教えていただけますと幸いです。

フランサ氏:見ていると、日本代表は海の向こうへ行ってワールドクラスのチームと試合をすると、(W杯などでは)予選落ちすることが多いです。僕の経験から言うとフィジカルが鍵で、ここを改善すればいいと思います。日本の素晴らしいところは技術やスピードです。しかし、前半は順調にいっても、フィジカルやスタミナとかが追いついていないように感じています。サッカーは、ただ走るだけではなく筋力も重要です。やはり、フィジカルがしっかりしていないと思うようなプレーができない。トレーニング方法を変えることが重要でしょう。

少年サッカーにおいても、ドイツ(フランサ氏はドイツのバイエル・レバークーゼンでもプレー経験がある)には専属のトレーナーがいるなど、サイエンスの知識を利用したトレーニング手法がありますが、日本はあまりないのではないかと感じています。

僕自身経験して、感覚としてわかるのですが、ドイツは体の当たりが日本とは違ってとても激しい。日本はどちらかというとスピードがメインですよね。2014年のブラジルW杯ではドイツが優勝しましたが、今回も優勝するのではないかと思っています。いまのドイツもとても強い。



---:今回のイベントは「地域貢献」をテーマにして開催されたようです。こういったイベントに対してどう思われますか。

フランサ氏:こういう交流会はとても重要です。地域住民や、子ども、保護者も皆さんのモチベーションが上がります。今後も同様のイベントをたくさんやるべきだと思います。ブラジルでもこういった地域貢献イベントは同じように行いますが、環境は日本の方が素晴らしい。しかし、子どもたちのまとまりは、見ての通りほとんどないですね。それはブラジルも日本もそっくりです。(笑)

---:子どもたちに対するメッセージをお願いします。

子どもたちには、「まずは諦めないこと」をメッセージとして伝えたいです。私も8歳の頃から、憧れの選手たちのプレーを見てモチベーションやエネルギーをもらって一生懸命練習しました。それは、サッカーじゃなく例えばお医者さんを目指すなど、他の分野でも一緒です。まずは諦めないで欲しいです。







現在は日本で、国内外の契約・移籍交渉事業などを行っているFootbank株式会社と共に活動しているフランサ氏。ある意味、現役を離れても日本サッカー界に仕事を通して現在も貢献していると言えるだろう。

フランサ氏はイベント終了後も時間ギリギリまで会場に残り、小学生、保護者、明大生など約100名の希望者全員にサインを書き、言葉をかけ続けた。









その様子に、同イベントを主催した明治大学准教授の釜崎太氏はフランサ氏について「全く気取った様子がなく、丁寧に小学生にも対応していてファンサービスには本当に驚きました」と語った。

この日のイベントに参加した明治大学法学部4年の男性は、「小学生の頃に憧れていた選手と一緒にボールを蹴ることができてとても嬉しかったです。やっぱり現役を離れても桁違いのセンスでした」とフランサ氏について興奮しながら明かしていた。







《大日方航》

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