ロシアW杯では主将として母国クロアチアを準優勝に導いたルカ・モドリッチ選手。
2018年にはバロンドールに選される。これは、リオネル・メッシ選手とクリスティアーノ・ロナウド選手以外の選手としては、2007年以来11年ぶりの受賞だ。
そんな現代の名手として名を馳せるモドリッチ選手とよく比較されるのが、アンドレス・イニエスタ選手である。
イニエスタ選手は最盛期のバルセロナを支え、2010年の南アフリカW杯ではスペイン代表を優勝に導く決勝点を挙げている。現在はJリーグのヴィッセル神戸に移籍して活躍中だ。
そこで、今回は現代サッカーを代表するサッカー選手であるモドリッチ選手とイニエスタ選手を比較してみよう。
プレースタイルの比較
まずは、モドリッチ選手とイニエスタ選手のプレースタイルから二人を比較していこう。
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(c)Getty Images
モドリッチ選手の最大の特徴はアウトサイドでのキックから生み出される正確無比のパスコントロール。
ボールコントロールが難しいとされているアウトサイドでのキックで、距離を問わずに味方の要求しているポイントにパスを送り込む技術は世界でも有数の実力だ。
ピッチ上を幅広く動き回りながら、視野の広さを駆使してアウトサイドでのキックでリズムよくパスを刻みつつ、チームの攻撃のリズムを生み出すことができる。
また司令塔でありながら、運動量も豊富でチームのために走ることもいとわず、正確なポジショニングで相手のパスをカットして、ピンチの芽を摘むといった守備面での貢献も見逃すことのできない持ち味と言えるだろう。
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(c)Getty Images
一方、イニエスタ選手の最大の特徴は巧みなボールコントロールと相手をいなすドリブルセンス、そして創造性豊かなパスと言えるだろう。
イニエスタ選手の一挙手一投足には繊細な技術が込められており、プレーを指して「フットボールそのもの」「天才」と言われるほどである。
長きにわたり所属していたバルセロナと母国のスペイン代表では、攻撃にスイッチを入れて相手の守備陣を混乱に陥れるパスで幾多のチャンスを生み出し、数え切れないほどのタイトル獲得に貢献した。
繊細なボールタッチとクイックネスを活かしたドリブルは年齢を重ねた現在でも世界のトップクラスといえるだろう。
バロンドール受賞によりモドリッチの評価が高まる
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(c)Getty Images
2018年、モドリッチ選手はUEFAの年間最優選手・FIFAの年間最優秀選手に続いて、キャリアで初めてとなるバロンドール賞を受賞。さらに評価を高めた。
バロンドールは過去10年間ロナウドとメッシが独占していた賞
バロンドールは1956年にフランスのサッカー専門誌「フランス・フットボール」が創設した賞で、その年に欧州で最も活躍した選手に贈られる。
過去10年間はバルセロナに所属しているメッシ選手とユベントスに所属しているロナウド選手が独占しており、この二人を除くと2007年以来の11年ぶりの受賞となる。
受賞後のコメントで「イニエスタも受賞できるレベルにあった」と語るモドリッチ
そんな歴史的な快挙を成し遂げたモドリッチ選手は、バロンドール受賞後に「過去10年間は規格外の選手がこの賞を独占していた」とコメント。
メッシ選手・ロナウド選手の凄さを認める一方で「その間も本来ならばバロンドールを獲れるはずの選手はいた。それはシャビ・イニエスタ・スナイデルだったりする」とイニエスタ選手の実力はバロンドールに値すると称賛していた。
ラキティッチは二人を「別の惑星から来た選手」と称したことも
モドリッチ選手とイニエスタ選手について独特の表現で称賛した人物がいる。
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(c)Getty Images
クロアチア代表で長きにわたりモドリッチ選手とタッグを組み、バルセロナで4年間イニエスタ選手と共にプレーした経験のあるイヴァン・ラキティッチ選手だ。
ラキティッチ選手は二人のことを「彼らはどちらともそのポジションにおけるベストな選手」とコメントしている。
またラキティッチ選手は「彼らは別の惑星から来た選手たち。もし僕がサッカーチームを作るなら、二人ともチームに欲しい選手たちだ」と絶賛していた。