5月10日、米野球メディア・Cut4が公式インスタグラムを更新。 ニューヨーク・ヤンキースのクリント・フレイジャー選手について写真を投稿している。
今回の投稿でフォーカスされているのはフレイジャー選手のスパイク。一見シンプルな白地のスパイク……のようだが、よく見るとナイキ エア・フォース1であることがわかる。
エア・フォース1は機能性とデザインにより高い評価を得ているバスケットシューズ。ストリートファッションでも絶大な人気を誇るこの靴だが、野球のスパイクとして使用しているのは極めて稀だ。
なにしろ、プロ野球選手やMLB選手は用具にこだわりをもつのが一般的。先日引退したシアトル・マリナーズのイチロー選手もスパイクにただならぬこだわりを持っており、軽さや履き心地をしばしばメーカーと協議していたのはいい例だろう。
今回投稿された写真の4枚目には、対戦したシアトル・マリナーズのディー・ゴードン選手がフレイジャー選手の珍しいスパイクを見て苦笑いを浮かべる様子も写されている。 やはり、現役MLB選手から見てもこのスパイクは異例なもののようだ。
Cut4が4月19日に公開した記事によると、フレイジャー選手は靴をスパイクに改造するのが趣味とのこと。記事では「多くの選手が機能的でカッコいいスパイクを探すのに苦労しているが、フレイジャーは自作することで解決している」と驚きを込めた言い回しで解説している。
実際、フレイジャー選手本人のインスタグラムには自作したと思わしき改造スパイクの写真が投稿されていた。こちらは、デザイナーのジェリー・ロレンゾさんとナイキがコラボしたバスケットシューズ「FEAR OF GOD」をスパイクに改造したもの。
@jerrylorenzo @jerrylorenzo
スリムなシルエットはそのままに靴底へ歯を追加しており、一見してスパイクとは気づかないほどスタイリッシュだ。特徴的なヒールのジッパーなどもそのまま活かしているようである。
また、こちらは「Jordan 1 Retro High NigelSylvester」をスパイクに改造したものだ。
@nigelsylvester
この靴といえば、「履き古したスニーカー」をテーマに汚れとダメージ加工をデザインに持ち込んだことで発表時は注目を浴びた。その靴を確実に土汚れがつく野球のスパイクとして使おうとするところに、フレイジャー選手の独特な美意識や価値観が感じられる。
さらに、こちらは2009年までヤンキースに在籍した大投手CC・サバシアさんのインスタグラムに投稿された写真。明らかに野球で使うには不向きなブーツだが、足底にはスパイクの歯が。
投稿には「次にフレイジャーが使うスパイクはコレだってよ」との旨のメッセージも添えられている。さすがにこれはサバシアさん流のジョークだと思われるが、これまで数々の靴をスパイクに改造してきたフレイジャー選手ならやりかねないと想像してしまうのが恐ろしいところだ。
5月10日には、フレイジャー選手がインスタグラムに「エア・フォース1」を履いてグラウンドを走る自身の姿を投稿。「for this life, i cannot change（暮らしのために「変わる」ことなんてできないぜ）」とコメントし、今後も改造スパイクの使用を続けることを示唆していた。
これまでの例とはまったく違う形でスパイクにこだわりを見せるフレイジャー選手。ぜひ、これからも自らの道を突っ走ってもらいたいと願うばかりである。
≪参考記事≫
https://www.mlb.com/cut4/clint-frazier-turned-expensive-shoes-into-cleats
