2019シーズンはキャプテンとしてチームをまとめるFC東京の東慶悟(ひがし けいご)選手。「今後の僕の人生でもいい経験になると思って、精一杯やらせてもらっています」と、ひたむきに取り組む29歳。
プレッシャーもかかる“キャプテン”という役割。しかし、背番号「10」をつけたMFは、ピッチを離れると一児のパパとなる。グラウンドを走ってボールを追いかける姿とはちょっと違う、東選手のプライベートな一面を教えてもらった。
※取材日は2019年8月下旬
オフの日は家族と過ごす
――試合や練習のないオフの日、東選手は何をして過ごしていますか?
東慶悟選手(以下、敬称略):「3歳の娘がいて、家族で出かけることが多いです。幼稚園に預けている時は奥さんと二人で買い物に行ったりご飯に行ったり、基本はそんな感じですね」
2015年9月に一般女性と結婚した東選手。当時、FC東京を通じて「大変幸せに思うと同時に、守る家族ができ責任も感じています。これからも、より一層サッカーに打ち込んでいきたいと思います」とコメントを発表している。
――家族の存在はどのように影響していますか?
東:「家族のありがたみというかパワーを感じますし、基本的にホームの試合では子供と一緒に入場するようにしています。親父としての責任ではないですけれど、家族を食わせていかないといけないので、そのためにサッカーを頑張らないといけない。奥さんにも感謝しています」
また、おだやかな表情で「女の子なのでボール遊びや走り回るよりは、おままごととかの方が好きですね」と娘について語る。遊園地などにもよく連れて行くそうだ。

リラックスタイムは「クルマの運転」
――今、ハマっていることなどありますか?
東:「何もないんですよね。趣味を持っている人が羨ましいくらい。まったくないので見つけていきたいとは最近感じますね。今まであまり考えませんでしたが、年齢を重ねると趣味を持っている人はいいなって」
そんな東選手にとって「クルマの運転をしている時」がリラックスタイムだ。自宅から練習場まで30分程度ハンドルを握る。
「車内で一人の時間を過ごすことも結構好きで。そこで音楽を聴いたり、ラジオを聴いたり、頭の中を整理したり。30分はちょうどいい時間なんです。1時間になるとまた違うと思います」
音楽は清水翔太さんの曲を好み、去年はライブにも行ったそうだ。夫婦で好きだという。
「試合前も結構聴くことがあります。どちらかというとバラードなど落ち着いた曲が多くて癒される。心地いいです」

後輩たちとゲームで遊ぶ
――ピッチ外でチームメイトとどこかに出かけたり、遊んだりすることは多いのでしょうか?
「(バトルロイヤルゲームの)『荒野行動』はしますね。ゲーム内でチームが組めるので、チームメイトとオンラインでよくやります。矢島輝一選手とか宮崎幾笑選手とかと、暇な時は『ゲームしようか』って(笑)」
――ゲーム内でもキャプテンなんですか?
「めちゃめちゃ文句言われますよ(笑) 下手なんです。後輩からも『ちゃんとやってくださいよ!』って言われるんで……」

ゲームは遊ぶだけではなく、若手選手とのコミュニケーションツールにもなっている。試合では厳しくなることもあるが「基本は仲良くしていたいタイプ」という東選手にとって、オフの日に後輩と交流することでメリハリもつくそうだ。
全力で戦う姿を見せ続ける
キャプテンは誰でもなれるわけではない。ただサッカーがうまければなれるものでもない。サッカー以前に、人としての器を問われるものだ。そのキャプテンに任されて早8ヶ月が過ぎ、実感も湧いてきたという。
「でも大変だなというのはつくづく感じます。全力でキャプテンが戦う姿を見せて、引っ張っていくことを続けたいと思います」
リーグ首位で夏を終えたFC東京。クラブ初のリーグ制覇に向けて、東キャプテンはチームメイトとともに全力でピッチを走り続ける。
>インタビュー前編はこちら
東慶悟が語る、“キャプテン”になってからの変化とこれから 「今はただ楽しいというよりも」 始球式後日談も
東慶悟(ひがしけいご)

1990年7月20日生まれ、福岡県出身。FC東京のMFでキャプテン。2009年に大分トリニータからプロデビュー。大宮アルディージャ(2011-2012)を経て、2013年から現チーム。
《text & photo Hideyuki Gomibuchi》