『ラグビーワールドカップ2019日本大会(W杯)』は9月22日も3試合が行われた。札幌ドームでは世界ランキング3位のイングランドが同15位のトンガと対戦し35-3で勝利している。
初戦を落としたトンガだが、試合前に見せた戦いの儀式『シピタウ』で札幌の観客を魅了。さらに大会公式ツイッターは試合後のトンガ選手と家族の語らいを「感動的な瞬間」と取り上げた。
注目されたのはトンガ代表のナシ・マヌ選手。過去にはスーパーラグビーのハイランダーズでキャプテンを務めたこともある経験豊富な選手だが、彼が4年に1度の舞台にたどり着くまでには病との戦いがあった。
「#RWC2019での初試合後、ナシ・マヌと彼の家族との感動的なひととき。彼が乗り越えてきた逆境は信じられないほどで、このピッチで彼を見られるのは素晴らしいことです」
A touching moment between Nasi Manu and his family after his first match at #RWC2019. Incredible the adversity he has overcome and great to see him out on the pitch for #ENGvTGA pic.twitter.com/BmarWJcJgX
— Rugby World Cup (@rugbyworldcup) September 22, 2019
W杯前年にガンと診断される
マヌ選手が医師から告げられた病名は精巣ガン。診断はW杯を翌年に控えた2018年に下った。
予想外の出来事に襲われたマヌ選手だが、トンガ代表としてW杯に出場する夢をあきらめてはいなかった。イタリアのベネトンでプレーする彼は、一刻も早い復帰を目指し手術と化学療法による治療を開始。
その活動を応援するため、ベネトンのチームメイトたちも頭を丸刈りにした。
「ラグビーの試合前には必ず友情、家族、サポートについて話をします。これは単なるレトリックではなく、あなたと一緒にいることを示すためのジェスチャーです」
In ogni spogliatoio di rugby prima una partita si parla di amicizia, famiglia e sostegno. Questo gesto è per non lasciare che queste siano solo retorica, ma per dimostrarti che noi siamo con te. @Nasi_Manu
#tisupportiamofinoinfondo #benettonrugby #leoni pic.twitter.com/prXS3oW7hM
— Benetton Rugby
(@BenettonRugby) December 7, 2018
仲間の励ましも受けたマヌ選手は、ガンという難敵との戦いを克服し代表復帰を果たした。イングランド戦では57分から途中出場している。
この1年で受けた愛とサポートを胸にW杯へ
大会直前に札幌で受けた歓迎式典では感極まり、涙したマヌ選手。やはり大病を克服して臨むW杯には一方ならぬ思いがあるようだ。
「ここに立つと、私はこの1年間の旅と、今日ここに立つまでサポートしてくれた全ての人のことを考えずにはいられません。心から感謝します、あなたの愛とサポートを決して忘れません」
As I stand here, I can’t help but think of my journey this past year and everyone that’s helped me stand where I’m standing today. Thankyou from the bottom of my heart, I will never forget your love and support. @BenettonRugby #Leone
pic.twitter.com/tWSXFOT86O
— Nasi Manu (@Nasi_Manu) September 19, 2019
トンガ代表の次節は28日に大阪の花園ラグビー場でアルゼンチンと対戦する。逆境を乗り越えてきたマヌ選手のプレーに注目だ。