人に歴史あり。『ラグビーワールドカップ2019日本大会(W杯)』には様々な経験をしてきた選手が代表入りしている。
カナダ代表のエリック・ハワード選手は厩務員(きゅうむいん)として働いた経験が自信になり、人間相手のぶつかり合いには恐れがないと話す。
@RugbyCanada‘s Eric Howard has no fear of walking out on the pitch against the world’s toughest rugby players at his first @rugbyworldcup. He is ready for any challenges after working around racehorses for a living. https://t.co/Ezx6ErbrVt #RWC2019 #Canada
— RugbyAmericasNorth (@RugbyAmericasN) September 24, 2019
ラグビーとの出会いは「アメフトのチームがなかったから」
少年時代はアイスホッケーやサッカー、アメリカンフットボールをプレーしていたハワード選手だが、引越し先の高校にアメリカンフットボールのチームがなかったのでラグビーに転向した。
「素晴らしい先生やコーチにラグビーの面白さを教えてもらい、この競技が持つ社会的な側面にも惹きつけられたんだ」とラグビーとの出会いを振り返る。
本格的にラグビーを始めたのは大学入学後。大学で5年間プレーし、2度のチームMVPに選ばれるなど頭角を表した。しかしフルタイムのラグビー選手として生計を立てるにはさらなる経験を要した。
厩務員とアマチュア選手の二足のわらじ
ハワード選手が3年間の厩務員生活で担当した仕事は、パドックの掃除や木の伐採。その他にも必要な仕事があればこなした。
あまり魅力的な仕事ではなかったが、上司もラグビー出身だったので、トレーニングスケジュールを考慮してくれたのは良かったと当時を振り返る。
厩務員として間近で目にしてきた競走馬の力強さについては「恐るべきものだ」と語る。
「巨大な彼らが動き始めたら止められない。私は人間に勝てる自信があるけど、馬が相手なら無理だよ」
ニュージーランド戦が大きな目標
今大会のカナダはニュージーランド、南アフリカと同じプールBに入った。これはハワード選手のラグビー人生にとって運命的な巡り合わせといえる。
「本格的にラグビーを始めて間もなかった2011年。W杯でカナダとニュージーランドが対戦するのを観たんだ。いつか自分もカナダ代表として、ニュージーランドと対戦したいと思った」
もっとも当時はまだ、その夢を叶えるチャンスが自分に訪れるとは思ってもみなかったと、ハワード選手は驚く。ニュージーランド戦のピッチに立てれば「ラグビーのキャリアは成功だったと言えるね」と話し、10月2日の試合を心待ちにした。
参考:https://www.rugbyworldcup.com/news/479658