『ラグビーワールドカップ2019日本大会(W杯)』で日本代表は世界ランキング2位(試合当時)のアイルランドを破った。この勝利は、現在ランキング1位のニュージーランド代表(オールブラックス)をも驚かせたようだ。
オールブラックスはBBCが報じた元日本代表コーチ、スティーブ・ボーズウィックさんのコメントを引用しながら、公式サイトに「この勝利が日本のラグビーを後押しするかもしれない」という記事を掲載した。
日本は賢くプレーしてスピードもあった
ボーズウィックさんは、前回W杯でエディ・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)と共に日本の躍進を支えた人物。今大会では再びジョーンズHCの下で、イングランド代表のコーチを務めている。
前回大会の南アフリカ撃破に次ぐ大物食いを果たした日本代表について、ボーズウィックさんは「賢くプレーしているし、スピードが速くて才能もある」と評価した。
「ジェイミー・ジョセフとトニー・ブラウンは本当にいいコーチだが、重要なのはチームが粘り強く戦えていることだ。その点では目を見張るものがある」
“They play smart, they’ve got speed, they’ve got talent.”
Japan’s rollicking start to #RWC2019 set to boost rugby in the country.
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— All Blacks (@AllBlacks) September 30, 2019
日本は最後まで攻守のスピードを維持
ボーズウィックさんから出た『速さ』というワード。その点を強調した動画が大会公式ツイッターにアップされた。
動画では日本が攻撃時にタックルで倒されたあと、密集から短時間でボールを出して休むことなく、波状攻撃を仕掛けている。
「日本のセンセーショナルな勝利の中心には猛烈な攻撃スピードがあった」
Ferocious attacking speed at the heart of Japans sensational victory over Ireland #JPNvIRE #RWC2019
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— Rugby World Cup (@rugbyworldcup) September 30, 2019
ラグビーではタックル後のボール争奪戦を総称してブレイクダウンと呼ぶ。現代ラグビーでは「勝敗を分ける」とまで言われるプレーだ。
少ない人数で素速くボール争奪戦を制せれば、相手のディフェンスラインが整う前に大勢でパスを回せるため、ブレイクダウンが発生したら遅れずにフォローすることが重要になってくる。
ブレイクダウンの優劣は、2秒程度で次の攻撃が始まれば攻めてる側が優勢、5秒以上かかるようだと守っている側が押しているというのが目安と言われている。動画のシーンでは日本が2秒台から3秒台半ばでボールを出している。
日本は疲労が蓄積する後半になってもスピードを維持し、試合途中で足が止まったアイルランドに走り勝った。