今年度のメジャーリーグ殿堂入り投票が終わり、元ニューヨーク・ヤンキースのデレク・ジーターさんが、有資格1年目での殿堂入りを果たした。
20年間ヤンキース一筋にプレーし、その優れたキャプテンシーから『ザ・キャプテン』とも呼ばれたジーターさんには、前年のマリアノ・リベラさんに続く2年連続2人目の満票獲得が期待されていた。
しかし、ジーターさんは397票中396票獲得で満票には1票足りず、得票率99.7%で殿堂入りという結果になった。ニューヨークの貴公子が満票を逃したことはアメリカでも大きなニュースとなり、誰が投票しなかったのか犯人捜しめいたものまで始まった。
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(c)Getty Images
イチローは日米を股に掛けた活躍で「最高のチャンスがある」
そんななか、メジャーリーグ公式インスタグラムは「この中で誰が最初に満票で殿堂入りする?」と4人の選手をピックアップ。
そこには2019年に引退したイチローさんの姿もある。
MLB公式が取り上げたのは2024年に有資格入りするエイドリアン・ベルトレさん、2025年に有資格入りするイチローさん、現役選手からはアルバート・プホルス選手、マイク・トラウト選手。
4人の満票獲得を予想してコメント欄ではファンが議論している。
ロサンゼルス・ドジャースやテキサス・レンジャーズなどで活躍したベルトレさんは、メジャー通算3166安打、477本塁打、1707打点をマーク。ドミニカ共和国出身選手で史上初の3000本安打を達成し、守備でも三塁手のゴールドグラブを5回獲得した。
殿堂入りは確実と見られているが、先にジーターさんが満票を逃しているだけに「ジーターが無理ならベルトレも無理」の見方が強い。
トラウト選手は現役最高のメジャーリーガーの呼び声も高い。メジャーデビュー2年目の2012年に史上最年少で30本塁打30盗塁を達成し、この年は打率.329、30本塁打、83打点、49盗塁で盗塁王を獲得。この年の新人王にも満票で選出された。
その後も走攻守にハイレベルなプレーを見せ続けているトラウト選手には、「トラウトなら満票間違いなし」の声が多い。ただし28歳と4人のなかでは最も若いため、最初にという条件がつくと先に引退した選手のほうが有利と見られる。
プホルス選手は2001年のメジャーデビューから2010年まで、打率.300、30本塁打、100打点を毎年継続。その打棒で2000年代最強打者の呼び声も高い。近年は打率が下がっているが、それでも通算では.300をキープし、656本塁打、2075打点をマークしている。
満票獲得の有力候補だが「まだ引退してない」ため、他の選手に先を越される可能性もある。
プホルス選手より先に満票を獲得するチャンスありと言われているのが、2019年3月に引退し、2025年から殿堂入りの資格を得るイチローさんだ。
新人王とMVPの同時受賞、10年連続の200安打、シーズン安打記録の更新、27歳と遅いメジャーデビューでありながら通算3089安打を残した記録面での活躍はもとより、ファンはアジア出身の野手がメジャーリーグで大成功できる実例を作った功績が大きいと支持する。
「イチローはメジャーと日本で成功したから可能性がある。NPBの成績が関係ないことは知っているが、彼は誰にもできないダイナミックなことをした存在で最高のチャンスがある。それでも満票は簡単なことじゃないけどね」