ムーキー・ベッツのトレードがサッカー界にも波及? 同一オーナーのリヴァプールはどうなる | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

ムーキー・ベッツのトレードがサッカー界にも波及? 同一オーナーのリヴァプールはどうなる

スポーツ 短信
ムーキー・ベッツのトレードがサッカー界にも波及? 同一オーナーのリヴァプールはどうなる
ムーキー・ベッツのトレードがサッカー界にも波及? 同一オーナーのリヴァプールはどうなる 全 1 枚 拡大写真

現地2月4日(日本時間5日)にボストン・レッドソックスのムーキー・ベッツ選手が、ロサンゼルス・ドジャースにトレードされた。


ミネソタ・ツインズ、ロサンゼルス・エンゼルスも絡む大型トレードにより、ドジャースの前田健太投手もツインズにトレードされている。


春季キャンプ直前にアメリカ野球界を騒然とさせたトレードは、海を渡ったイングランドのサッカー界でも注目される


英紙「INDEPENDENT」は『リヴァプールファンがムーキー・ベッツのトレードに注目すべき理由』と題した記事を掲載した。


2010年にレッドソックスの親会社がリヴァプールを買収


今年1月に日本代表MF南野拓実選手が移籍したことでも話題のリヴァプールは、オーナーがレッドソックスと同じフェンウェイ・スポーツ・グループ(FSG)。


INDEPENDENTは「昨シーズン欧州チャンピオンズリーグを制したリヴァプールが、今シーズンはプレミア・リーグ制覇も目前に迫り、ユルゲン・クロップ監督の下での素晴らしい2年間を完了しようとしている。だが、レッドソックスが栄光を掴んでからベッツ選手をトレードするまでも2年間だった」と解説。


いかにベッツ選手がレッドソックスにとって特別な存在だったかを説く。


「ベッツ選手はチームにレギュラーシーズンで108の勝ち星をもたらし、21世紀に入ってから4度目のワールドシリーズ制覇に貢献して、数々の個人タイトルも受賞した。彼は契約最終年に2700万ドルを受け取るが、これは妥当な金額だ」


さらに記事では「レッドソックスは贅沢税を回避したかったようだが、ベッツ選手を引き留めておくだけのお金がないとは誰も信じないだろう」と、球団に潤沢な資金があることを指摘する。



ムーキー・ベッツ選手 (c)Getty Images



レッドソックスの人件費削減は、サッカーフランス代表FWキリアン・エムバペ選手を獲得するための準備ではないかという噂について、記事は「ケチくさい」という言葉でFSGを表現しながら懐疑的な目を向けた。


それはFSGの基本が大型契約を好まないビジネスマンと考えられているためだ。


FSGは熱心なスポーツファンではあるが、何よりもまず第一にビジネスマンである。過去18ヶ月間だけでアリソン・ベッカー選手とフィルジル・ファン・ダイク選手に大きな投資をしたが、イングランドのライバルクラブに比べれば健全な支出に収まっている」



フィルジル・ファン・ダイク選手 (c)Getty Images



サッカー界へのマネーボール理論導入は失敗 米英で同時に進んだ補強戦略の変化


クラブ経営に失敗して2億3700万ポンド(約286億円)の負債を抱えた前オーナーからクラブを譲り受けたFSGは、まず「サッカーにマネーボール理論を導入する」改革に着手した。


マネーボール理論とは、当時メジャーリーグで流行っていた統計(セイバーメトリクス)を元に過小評価されている選手を発掘し、補強に生かす戦略のことだ。


このマネーボール理論を元にレッドソックスはデビッド・オルティーズさんを獲得した。後にオルティーズさんは野球の枠組みを越え、ボストンの象徴的な存在にまで成長している



デビッド・オルティーズさん (c)Getty Images



FSGはサッカーでもマネーボールによって成功が可能と考えた。だが実際はまったく希望したとおりの結果にならなかった。ダミアン・コモリSD(スポーツディレクター)の時代にリバプールはリーグ戦で6位、8位、7位に終わる。


その後もFSGが考える「データを重視した補強」は、ウルグアイ代表FWルイス・スアレス選手などたまに当たりくじも出したが低打率に終わった。


クロップ監督が就任する前のブレンダン・ロジャーズ政権では、補強を巡ってロジャーズ監督とフロントの間に確執が生まれた。


混乱するリバプールは2015年にクロップ監督を招へい。さらに補強戦略にも変化が見られた


従来のデータ重視から、よりスカウトや監督の評価を重視するようになる。データは判断を助けるが、あくまで決断するのは人間というスタンスへの変化。これは同時期にFSGの基幹産業であるレッドソックスでも見られた動きだ。


2000年代のレッドソックスはセオ・エプスタインさん、ベン・チェリントンさん、デーブ・ドンブロウスキーさんの順に編成責任者が入れ替わり、年代が下るほど現場で選手を見ているスカウトの意見も重要視するようになった。


そしてレッドソックスは2018年にワールドシリーズで優勝し、リバプールは2019年の欧州チャンピオンズリーグで優勝した。


FSGがオーナーを務める2チームは、野球とサッカー、アメリカとイングランドに別れながら、同時期に同じような動きを見せてきた



(c)Getty Images



現時点でリバプールの主力に動きはないが


以上のような繋がりがあるため、ベッツ選手のトレードがFSGに何らかの変化が起こっていることを示す兆候なら、それはリバプールにも遠からず波及するのではと考えられている。


「バルセロナに売却して得た1億4200万ポンド(約203億円)が素晴らしい再投資だったため忘れられているが、フィリペ・コウチーニョ選手がリバプール最高の選手だった時期はそれほど昔ではない。ベッツ選手のトレードは、サポーターがクラブに示す愛情にかかわらず、選手たちはFSGに値札をつけられていると示す例だ。


現在までファン・ダイク選手、サディオ・マネ選手、モハメド・サラー選手に差し迫った異変はないが、ベッツ選手のトレードは多くの人が考えるよりも早く変化が起きるかもしれないと思わせる」


《SPREAD》

≪関連記事≫
≫貴重な水着ショットも披露!「もはや高校生には見えない」大人っぽい池江璃花子、沖縄・石垣島の海を満喫

≫ケンブリッジ飛鳥と滝沢カレンが似てる?リオ五輪時から密かに話題だった

≫レアル所属・中井卓大ってどんな選手?…「リアルキャプテン翼」と呼ばれた少年時代