鳴り止まない歓声と投げ込まれる大量のプーさんが完璧な演技への称賛だった。
2月7日にフィギュアスケートの四大陸選手権が行われ、男子シングルで羽生結弦選手が自身の持っていたショートプログラム世界最高得点を更新する111.82点で首位に立った。
国際スケート連盟(ISU)は「2度の五輪チャンピオン羽生結弦は、ショパンの『バラード第1番』に乗せ4回転サルコー、4回転トゥループ、3回転トゥループ、3回転アクセルを成功させ、絶妙なフットワークとスピンは最高評価のレベル4を獲得した」と公式サイトで会心の演技を紹介した。
ショートプログラム終了後には笑顔を見せた羽生選手。リンクに投げ込まれたくまのプーさんを自ら拾い集めた。
Hanyu (JPN) soars to top in Men’s Short Program with record score
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— ISU Figure Skating (@ISU_Figure) February 7, 2020
これまでの『バラード第1番』で一番良かった
羽生選手は今大会前に演技プログラムを平昌五輪優勝時のものへ戻すと決断。そこには「自分らしく滑れる曲」という羽生選手自身の感覚があった。
「これまでの『バラード第1番』のなかで一番良かったんじゃないかなと思います」
世界最高記録を3度も塗り替え“伝説のプログラム”と化していた『バラード第1番』の再演。会心の演技は羽生選手に新たな自信を与えた。
「音楽を深く表現しようとして、より高く、より完璧にジャンプすることができました。実は自分でも110点以上を目標にしていたんです。とても楽しく滑ることができて自信にもなりました」

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30秒短縮の新ルールに対応した新たな『SEIMEI』
慣れ親しんだプログラムへの回帰は単なる過去の繰り返しではない。
フィギュアスケートは五輪後に大幅なルール改正が行われる。羽生選手が優勝した平昌五輪後にもルールが変更され、男子のフリースケーティングは従来の4分30秒から女子と同じ4分に演技時間が短縮された。ジャンプの数も8から7に減っている。
年明けにプログラム変更を決めた羽生選手は、世界選手権が行われる3月までの短期間で新ルールに対応した新たな振り付けを仕上げなければならない。
四大陸選手権は振付師シェイ=リーン・ボーンさんと考えた新『SEIMEI』が、現状どの程度まで完成しているかを実戦で試す試金石になる。

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