新型コロナウイルスの感染拡大により今年3月に予定されていた、フィギュアスケート世界選手権は直前で中止となった。
ファンが注目していた羽生結弦選手とネイサン・チェン選手の直接対決が果たされることはなく、代替開催の詳しい日程も決まっていない。
フィギャアスケートの今シーズンは不本意な形で幕を閉じた。それでも前半戦は多くの見どころがあり、選手たちは美しい演技で観客を楽しませた。その活躍をNBCスポーツが伝えた。
ネイサン・チェンは今季も学業とスケートを両立
男子では今シーズンもチェン選手の強さが際立った。米国の名門イェール大学に進学し2年生となった今シーズンもフルタイムの学業と競技生活を両立させ、5位に終わった平昌五輪を最後に無敗が続く。
四大陸選手権は回避したがスケートアメリカ、フランス杯、グランプリファイナル、全米選手権で優勝した。
イタリア・トリノで行われたグランプリファイナルでは、4回転ジャンプ5本を取り入れた高難度の演技でフリースケート224.92点、合計335.30点の世界最高得点で羽生選手との直接対決を制した。

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ジェイソン・ブラウンは4回転に挑戦
ジェイソン・ブラウン選手は持ち前の表現力や柔軟性を生かした演技に加え、今シーズンは準備してきた4回転ジャンプにも挑戦。回転不足と判定されたが果敢な挑戦は全米選手権のハイライトとも称賛された。
8月の事故で脳震とうに見舞われ理想的なシーズンの開幕ではなかったが、四大陸選手権では『シンドラーのリスト』でソウルの観客を魅了した。
このプログラムについてブラウン選手は「僕のバックグラウンドは明らかにユダヤ人で、この物語はとても感動的なものでした。ホロコーストやオスカー・シンドラーについて学びながら育ちました」と強い思い入れを語った。

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