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【競馬】コロナ禍で浮き彫りとなった競馬専門紙の未来は

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【競馬】コロナ禍で浮き彫りとなった競馬専門紙の未来は
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コロナ禍関係なし!売上好調のJRA

新型コロナウイルスに振り回された2020年もあと2カ月を切った。社会全体が不安に包まれる中、それでもJRAは「不況どこ吹く風」の様相だった。

感染拡大防止策等で娯楽を奪われ、閉塞感を抱いていた人々がイベントを求めて、週末毎の競馬に参加するようになったからなのか。当初は無観客で開催されたため馬券購入はインターネット投票に限定されたにもかかわらず、売上は堅調に……、いやここ数年の感覚で言えば、右肩上がり的な好調さで推移。競馬ファンの下支え方は驚くばかりだった。

その中心的な役割を果たしたのは、JRAのCMキャンペーンに引き寄せられた若い世代。そして、馬券購入方法において、アナログに徹していた年配の、コアなファンの多くが、PAT投票会員に新規に加入したことも要因のひとつとしてあげられる。

無論、コントレイルデアリングタクトと牡牝ともに無敗の3冠馬が誕生してみたり、古馬GI戦線でも牝馬アーモンドアイがGI8勝の新記録を打ち立てるなど活躍を中心に、質の高いレースが続いたことが大前提としてあることは間違いないのだが、それでもこのコロナ禍に、世代を超えたファンが売上に貢献した事実は特筆すべきことだ。

一方で次々と消える競馬専門紙

そんな“コロナ景気”にある競馬界で、ゆゆしき事態に直面している業種も存在する。それが競馬専門紙業界、いわゆる競馬新聞業界だ。気付いているファンもいることだろう。関東で発行される競馬新聞シェアの、トップクラスである“優馬”と“勝馬”の発行人名義が、9月から変更された。前者は形式上の前任者が身を引き、後者は経営陣が匙を投げた格好となったのを業界大手が買収。新聞自体は引き続き発行されているものの、経営母体が変わった。つまり両社とも、コロナ禍の影響をモロに受けた格好だ。

インターネットが登場してから、紙媒体の衰退が叫ばれて久しい。大手の新聞、出版社は勿論のこと、規模が小さい競馬新聞も、21世紀に入って以降、廃刊、休刊に追い込まれる社が続出。リーマンショック以降に限っても、老舗だった“ホースニュース馬”が、“ダービーニュース”が消え、そして今回は“勝馬”である。“優馬”ですら、西日本地区での販売から撤退しており、他社とてどこまで持ちこたえることができるのか、見通しは決して明るくない。

競馬専門紙の未来は……

新聞の売上面で急成長しているのは“競馬エイト”と“馬サブロー”で、この2社は親会社がスポーツ新聞社。つまり厳密には競馬専門紙ではない。これに対抗する形で全国版の新聞、週刊誌を発行する“競馬ブック”に、南関東を中心として地方競馬が好調な“日刊競馬”があるが、どう対抗するのか。

他の公営競技を見ると、専門紙が充実していない開催場は衰退しやすいもの。これまでコロナ禍でも馬券が売れるJRAサイドでは話題にも上がらなかった問題だが、コロナ禍を経ていよいよ表面化するかも……、そんな声が聞こえ始めている。

著者プロフィール
<文:競馬“聞き耳”TM>
競馬場やトレセンで取材を続けるトラックマン(TM)。東西に幅広い人脈を持ち、常に現場の情報にアンテナを張り続けている。関係者はもとより、記者仲間からも日々ネタを仕入れており、当サイトでは競馬の舞台裏、関係者の素顔が垣間見える“聞き耳”情報を配信。

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